軌道飛行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 03:45 UTC 版)
「X-37 (宇宙機)」の記事における「軌道飛行」の解説
引き続き軌道試験機のX-37B OTV (Orbital Test Vehicle) の開発が発表され、2008年頃の打上げを見込んでいた。予定よりも遅れたが、X-37Bは2010年4月22日19時52分 (EST) にケープカナベラル空軍基地第41発射施設 (LC-41) からアトラスVによって打ち上げられ、約17分後予定軌道に到達した。帰還先として、ヴァンデンバーグ空軍基地もしくはエドワーズ空軍基地が予定されていた。軌道上で試験が行われたあと、打ち上げから約7ヶ月を経た同年12月3日、X-37Bは大気圏再突入をしてヴァンデンバーグ空軍基地の滑走路に自動着陸を行い、試験は成功した。飛行期間は224日間であった。 X-37Bはスペースシャトルよりも長期間軌道上を飛行することができる。シャトルの16日に対し270日滞在可能となっている。 さらに、2011年3月5日に軌道試験2号機の打ち上げが行われ、1号機と同様に数ヶ月にわたって軌道上での試験が予定されていた。この2号機は設計寿命である270日間はおろか、1年間を超える476日の軌道飛行を行い、2012年6月16日にカリフォルニア州バンデンバーグ基地へと着陸した。 2017年5月、アメリカ空軍は、X-37Bが約2年にわたる軌道滞在の任務を終え、フロリダ州のケネディ宇宙センターに帰還したと発表。今回が4回目の任務であり、718日間に及ぶ軌道周回を終えたと伝えられる。詳細な任務については公表されていないが、ロケットダイン社は、今回の飛行の中でイオンエンジンの試験を行ったと発表している。後部メインスラスターの釣り鐘型のノズルが1つしか見られないのはこのためである。二つ目のノズルがあるべき位置にイオンエンジンが設置されている。 2017年9月にはX-37Bの5回目の飛行が実施された。この打ち上げではこれまでのアトラスVに変わってスペースX社のファルコン9ロケットが始めて用いられている。
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