販売合戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 18:07 UTC 版)
摂泉十二郷のあいだでも江戸への売り込みを射程にいれて、品質改良、技術革新、輸送手段の強化、はては江戸市中での営業活動など、熾烈な競争がおこなわれていた。 江戸時代前期は伊丹酒、池田酒がトップブランドであり、江戸時代後期に行くにしたがって後発の灘酒が市場を席捲した。これは、やや内陸に位置する伊丹や池田に比較し、海沿いに位置する灘が江戸への発送上有利であったという理由が大きい(当時は保冷輸送の手段のない時代であった)。 こうした圧倒的な下り酒の商品力の前に、それ以外の酒である地廻り酒、御免関東上酒、藩造酒などはとうとう江戸時代の終わりまで江戸市場において対抗できるには至らなかった。 酒以外の品目では、醤油や木綿は江戸時代のあいだに、幕府の肝いりもあって、下りものと対抗できるだけのものが関東でも造られるようになった。醤油の味が、今日の関東と関西で異なるのは、このときの幕府の政策に由来するものだとする説もある。
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