解剖と生理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/18 18:58 UTC 版)
哺乳類の胸腔と腹腔の境界にある板状の筋肉であり、胸郭下口の周りから起こり、血管、食道が横隔膜を貫くための3孔(大動脈裂孔・食道裂孔・大静脈孔)がある。横隔膜の上には両側の肺および縦隔が乗っており、右側の下には肝臓が、左側の下には胃が接している。 起始部は腰椎部・胸骨部・肋骨部の3部からなり、ドーム状(円蓋状)に胸腔に盛集する。停止部は横隔膜中央部の腱膜(腱中心)。横隔膜が収縮すると円蓋が下がり、胸腔が拡張し、胸腔内圧が低下し、肺が拡張し吸気される。そして、横隔膜が弛緩することによって肺が収縮し、息が吐き出される。すなわち、腹式呼吸が行われる。支配神経は頚神経からの横隔神経である。横隔膜は骨格筋かつ随意筋であり、肺呼吸の頻度をある程度ながら意図的に制御できる。しかし、睡眠中は脳幹からの信号により自動的に運動することで、睡眠中の肺呼吸を助ける。なお、この運動は、意識不明に陥っても行われることがある。 また、横隔膜は腹直筋、骨盤底筋などの腹部骨格筋と共に腹圧の形成に寄与し、哺乳類で発達した排便や出産で重要な役割を演じている。
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