要求される仕様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 20:20 UTC 版)
「Public Address」の記事における「要求される仕様」の解説
一般に民生用機器ではなく業務用機器であり、(ラインレベルやインピーダンスといった業界の違いによるデファクトスタンダードの違いの他に)以下のような点も民生用のオーディオ機器とは異なる。 最大の違いは堅牢性にある。コンサートの本番中や火災発生時などにトラブルが起きては本来の用途に適さない。したがって、音質よりも大音量で鳴らし続けても破損しにくく、高温・高湿でも劣化しにくいことが求められる。野外で使用されるものについては雨天での使用ができるよう防水・防滴処理がされたものもある。業務用機器はコンサートやイベントなどで暫定設置されることが多いので、コネクタなどの端子類が表側に出ていることが多い(家庭で使われるオーディオ機器は、表は操作部で、端子類は見えない裏側に集約されている)。配線も非常に長くなり、劣悪な電気的な環境の場所で使われるので、ノイズに強いバランス伝送が使われる。移動する事を考えられており、頑丈なハンドルや蓋が付いている物がある。 現場での設置が分かりやすいように、キャビネット表面に動きが分かる簡易的な回路図が書かれている物もある。 また学校や施設の館内放送設備では、停電など外部インフラの停止によって利用できなくなってもまずいことから、非常用の放送機能は無停電電源(蓄電池)や非常用発電機からの電力で動作する様になっていたり、あるいは自動火災報知設備と機能が統合されていることもある。増幅後のスピーカーへの伝送は「ハイインピーダンス伝送」という方式が採用されることが多い。民生用では8Ω前後のローインピーダンスで低めの電圧と高い電流で信号が伝送されるが、館内放送は、高めの電圧と低い電流で伝送される。スピーカーユニットへは並列に接続され、内部の変圧器で電圧が下げられ、スピーカーへ伝送される。内部のスピーカーは民生用と同じ低いインピーダンスである。
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