色々な伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/19 15:45 UTC 版)
パトリキウスは伝説の多い人物である。その一部を挙げる。 アイルランドに蛇がいない アイルランドにヘビがいないことの理由としてパトリキウスの名前が挙げられることがある。かつてアイルランド南部のキラーニーのそばの湖に賢いヘビがおり、パトリキウスはそのヘビと交渉し、箱のなかに閉じ込めて湖の中に投げ捨てたという物語がある。その際「明日になったら出してやる」と約束されたので、「もう明日になったかな?(Is to-morrow come yet?)」という哀れな声を漁師が聞いたという。また、パトリキウスは太鼓を鳴らして蛇や有害な動物達をアイルランドから海へと追いやり、以後これらの有毒な動物はアイルランドの大地に触れるだけで死に至るようになったともいう。そのためアイルランドの木々さえも毒に対する効能を持ち、ケンブリッジ大学の書物にも「アイルランドの木材で建てられた建築物にはクモが寄り付くことは決してない」とあるほどである。 ドルイドとの力比べ ケルトの聖地「タラの丘」へ赴いたパトリキウスは、アイルランド上王の前でケルト在来信仰の神官ドルイドとの法力対決を行った。ドルイドの魔術に対して奇跡を起こし、最後にはドルイドを屈服させたという。また、パトリキウスはドルイド教で火を焚くのが禁じられている日に、丘の上で火を焚いた。アイルランド王は彼を罰しようとしたが、不思議な力により、王はパトリキウスがまことの神から遣わされたことを信じたという。 クロー・パトリック メイヨー県にはクロー・パトリックという山の頂上に教会があって、パトリキウスは四旬節の40日間にここで断食を行ったといわれ、毎年、何万人もの人が山に巡礼にやってくる。 パトリキウスの死とウイスキー 461年、パトリキウスは臨終の際、友人や信者に「私のことは悲しまず、天国へ行く私のために祝って欲しい、そして心の痛みを和らげるよう、何かの雫を飲むように」と言葉を残した。そのためアイルランドではウイスキーが好まれるようになったという。
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