緊急警察通報電話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:54 UTC 版)
詳細は「110番」を参照 警察への事件の緊急通報用電話番号として「110」番が割り当てられている。「110番」に電話をかけると、各都道府県警察本部や地域の通信司令室の110番受理台につながり、場所・事件内容を確認後、管轄の警察署から警察官が出動する形を取っている。場所が警察署の管轄地域の境界に近い場合、管轄の署をめぐって出動に手間取ることが多い。また、ダイヤルの0と9の位置が隣り合っているため、緊急事態であることも加わって、消防・救急(119番)と間違える場合も多いと言われている(110番と119番との受付台で相互に連絡を取り合っている)。 警察への直通電話番号として「110」番が定着しており、警察への問い合わせにも「110」番が使われることが多くなったため、全国共通のプッシュ回線(トーン回線)や携帯電話専用の直通総合相談番号「#9110」も設定され、ダイヤル回線(パルス回線)の場合には、更に別の番号が用意されている。あわせて、警察署の代表番号の下4桁を「110」番から連想しやすい「0110」、「9110」とする地区も多い。 この緊急通報電話システムの創設は、第2次世界大戦後の治安状況の悪化と当時の警察通信状況の悪さに由来する。犯罪被害を受けた市民が警察署や派出所に急報しても、これらの警察署・派出所間の通信が十分整備されておらず、手配・処理が遅延する例が多かったことから、連合国軍最高司令官総司令部は緊急通報専用の電話番号の整備を勧告した。これを受けて、国家地方警察本部と逓信省の折衝の結果、110番制度が整備されることとなった。1948年9月24日の国警本部の通達により、まず都市部を管轄する自治体警察において、同年10月1日より一斉に制度が発足することとなった。東京は110番であったが、大阪・京都・神戸は1110番、名古屋は118番と全国統一はされておらず、1954年(昭和29年)7月1日の新警察法施行をもって110番に統一された。
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