第3の死亡事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 16:45 UTC 版)
「ティリクム (シャチ)」の記事における「第3の死亡事故」の解説
2010年2月24日、ティリクムは40歳のベテラン調教師、ドーン・ブランショ(英語版)の死亡事故に関与した。ブランショは、シャチの曲芸ショーが終わった後、事故に巻き込まれた。ショー後のルーチンとしてブランショがティリクムをなでていたとき、ティリクムは彼女の左腕あるいは髪の毛をつかんで水中に引きずり込んだ。少なくとも十数人の常連客がティリクムと一緒に水中にいるブランショを目撃し、職員はティリクムの気をそらそうと網を使ったり餌をティリクムに向かって投げたりした。 職員らは、組合わさったプールを次々に移動させて、最終的にティリクムを小さな治療用のプールに誘導した。そこは彼を落ち着かせやすかったからである。ティリクムは落ち着くとブランショの遺体を口から放した。シーワールドの役員の1人や事故を目撃した人たちの証言、及び、事故発生直後のビデオ映像からは、ブランショがスライドアウト(30cmほどの深さまで水に沈んだプラットフォーム)の上で横たわり、顔をティリクムの顔の横に近づけていたことが確認された。シーワールド側は、事故発生の数分前に撮影されたビデオを見る限り、彼女がポニーテールを引っ張られて水中に引き込まれたと主張した。しかしながら、目撃証言によると、彼女は腕をつかまれて水中に引き込まれたという。 ブランショの遺体の検死所見によると、死因は溺れたことと鈍い力による外傷だった。また、脊髄が切断され、顎の骨、肋骨、頸椎が骨折していた。頭皮は頭から完全に剥がされており、左腕は肩の下あたりで切断されていた。 2010年8月23日、米国職業安全衛生局(英語版)は、シーワールドに対して、3つの安全義務違反(うち2つはブランショの死亡事故に直接関連する)により、75,000 ドルの罰金を命じた。シーワールドは職業安全衛生局の指摘が不当であると主張する声明を発表した。ブランショの寡夫、スコット・ブランショは、疑念のある死亡事故訴訟を専門に扱うシカゴの法律事務所を雇うものの、シーワールドに対して法的な対応を取るには至らなかった。
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