硫酸水素塩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:30 UTC 版)
硫酸水素塩(りゅうさんすいそえん、hydrogensulfate)は硫酸水素イオン(HSO4−)を含むイオン結晶で、水素塩(酸性塩)の一種であり、広義には硫酸塩に含まれる。重硫酸塩(じゅうりゅうさんえん、bisulfate)、酸性硫酸塩(さんせいりゅうさんえん、acid sulfate)などと呼ばれることもあるが正式名称ではない。多くのものが吸湿性で水に易溶であり、水溶液は硫酸水素イオンの電離のため酸性を示す。 硫酸水素塩はアルカリ金属塩(MIHSO4)が硫酸塩と硫酸の等モル混合水溶液の濃縮により得られ比較的安定であり、加熱により脱水し二硫酸塩(MI2S2O7)となる。難溶性塩の酸性融解の融剤あるいは白金坩堝などの洗浄に用いられる。 アルカリ土類金属塩、鉛塩(MII(HSO4)2)などは硫酸塩を熱濃硫酸に溶解し冷却すると得られるが、吸湿により硫酸塩と硫酸に分解しやすい。 また硫酸一水和物H2SO4·H2Oは濃硫酸に計算量の水を加えて冷却すると結晶として得られ、融点は8.5℃であり固体(H3O+·HSO4−)はオキソニウムイオンと硫酸水素イオンからなるイオン結晶である。 硫酸水素アンモニウム (NH4HSO4) 硫酸水素カリウム (KHSO4) 硫酸水素カルシウム (Ca(HSO4)2) 硫酸水素ナトリウム (NaHSO4) 硫酸水素ニトロシル (NOHSO4) – ニトロソ化試薬
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