砲身過熱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 16:40 UTC 版)
金属は高温になると強度が低下する性質があり、融点の半分程度の温度から大幅な強度低下が起きる。このため砲身が真っ赤になるほどに過熱している状態で発射すると砲身が火薬の圧力に耐えきれなくなって破裂する。これは古くから経験則として知られており、例えば大口径砲では30発を連続発射すると尾栓部の温度が100℃を超えるという。そこで運用上で連続射撃を制限したり、砲身に冷却装置を設けたりしてきた。また砲身に常に水を掛けて冷却する、連続発射のあとで弾丸を装填したまま一定時間放置する場合も危険性が高まるので砲口を空に向けて事故の被害減少に務める、装薬を減らして射撃するなどの注意が払われた。またアメリカ海軍では前もって焼けた砲に装填のまま放置して発火するまでの時間を測定し、「クック・オフ・タイム」として安全確保の目安としていた。 過熱や整備不良といった影響で砲身が変形し垂れ下がった場合、その状態で射撃すると砲弾が砲身に詰まって圧力が上がり、砲身破裂に至る。
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