生育場所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:47 UTC 版)
キノコの多くは植物やその遺骸を基質としているが、中には動物の糞などの排泄物や死骸を基質とするものや、他種のキノコを基質にするものもある。また、植物の根と菌根と呼ばれる器官を形成して共生し、植物から同化産物を供給されて成育するものもある。通常目にするキノコの多くは地上に発生しているが、トリュフのように完全に地下に埋没した状態で発生するものもある。地域としては森林や草原に発生するものが多い。 一般にキノコは日陰や湿ったところに生えると言われ、実際にそういうところで目にする場合が多い。しかし、キノコの側からすれば、これはやや異なる。というのは、地下性のものを除けば、キノコの形成には光が必要な場合が多いのである。これは、キノコが胞子を外界に飛ばすためのしくみであることを考えれば当然と言える。朽ち木の中の閉じた空洞で胞子を飛ばしても仕方がないので外に開かれた場所にキノコを作る必要がある。しかし菌糸の生育できる場所が湿ったところである場合が多いので、その中で明るい開けたところに出てきてキノコを作っても、周囲に比べるとやはり暗く湿ったところにならざるを得ない、というのが本当のところである。真っ暗なところで形成されたキノコは、びん栽培のエノキタケに見られるように、モヤシのようにしか育たないことがある。また、マンネンタケやマツオウジのように、鹿の角状に不規則に分岐した奇形となり、かさを形成しない例も知られている。しかしながら、このような奇形化には、光条件だけではなくガス条件(二酸化炭素の濃度)や他の生物の影響なども関与していることが多い。
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