生活史と習性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 12:03 UTC 版)
不完全変態で、卵→若虫→成虫となる。卵は長卵型でふつう白く、宿主の大きさに対応し、1mm以下から2mm近いものまである。卵は宿主の羽毛か毛に産みつけられるが、羽軸内に産みこむものもある。若虫は成虫に似ており、1齢若虫では小さく色素をもたないが、脱皮ごとにしだいに大きくなり着色し3齢を経て成虫となる。 ハジラミは温度や宿主のにおいに敏感で、適温は宿主の体表温度である。宿主が死に体温が下がるとハジラミは宿主から脱出しようとする。そのままでいれば、宿主が死ぬとハジラミも数日内に死ぬ。 ハジラミの感染は交尾、巣づくり、雛の養育、砂あびなど宿主間の接触で起こる。もう一つの方法は翅のある昆虫に便乗することで、吸血性のシラミバエの体に大顎でしがみつき他の鳥に運ばれる。自然の集団では雌が多く、ある種では雄がほとんど見つからない。ウシハジラミでは処女生殖が知られている。前胃にハジラミの断片が見つかることがあるが、この共食いの現象は個体数の調節に役だつと考えられている。 ハジラミの最大の天敵は宿主であって、ついばみ、毛づくろい、砂あびによって殺される。また鳥の蟻浴も同様の効果がある。くちばしを痛めた鳥は十分毛づくろいができないので、非常に多数のハジラミの寄生をうけ弱る。哺乳類のハジラミは有袋類、霊長類、齧歯類、食肉類、イワダヌキ類および有蹄類に寄生し皮膚の分泌物や垢を食べているが、トリハジラミほど多くはない。
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