法改正による対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/04 02:03 UTC 版)
現在の特許制度においては、出願した発明の内容については一定の期間を経ると原則として公開する制度(出願公開制度)が導入されており、公開された発明を調査しておくことで、他者の特許を回避することも可能である。また、特許の権利期間の終期が出願日から起算されるよう法改正がなされたため、審理が長引いて特許成立が遅れたとしても、特許権の満了時期が過度に引き伸ばされる事がない。 日本では、1971年に出願公開制度が導入されるとともに、従来は「公告日より15年間」であった権利存続期間が1995年7月1日施行の改正法で「出願日より20年間」とされたため、これ以降の出願についてはサブマリン特許の問題は生じない。 米国では、1996年のTRIPS協定の発効に伴い、出願日を権利期間の起算日とする法改正が行われたため、改正後の出願では20年を超える長期間にわたるサブマリン特許が発生することはなくなった。ただし、公開制度については、2000年に制度が導入されたものの、一部例外が認められているため、特許成立までどのような発明が出願されているか分からない場合はまだ残っている。 さらに米国の2000年5月29日以降の出願については、PTA (Patent Term Adjustment) 制度により、出願後3年以内に登録されなかった場合や特許庁の応答の遅れがあった場合にはその期間に応じて無制限に特許の権利期間が延長されるため、特許の権利期間は実質的には「出願日から20年」か「登録日から17年」かいずれか長い方となっている。もっとも、出願人側に起因する権利化の遅れはPTAの期間から減算されるため、故意に権利化を遅滞させて権利の満了時期を遅らせることはできないとされている。
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