求電子付加反応
求電子付加反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 03:56 UTC 版)
「求電子付加反応」も参照 反応機構的には二重結合(ないしは三重結合)のπ電子にカチオン種が付加し、次いで生成したカルボカチオン(C+)をアニオン種が攻撃して付加反応が終結する。生成物の立体化学的考察より、多くの場合、二重結合平面に対してカチオン種とアニオン種がトランス方向(anti-periplaner方向)から付加することが確認されており、遷移状態は非古典式カルボカチオン(non-classical catbocation)を経由していると考えられている。また反応によっては古典式カルボカチオン(classical catbocation)を経由している場合もある。 求電子的付加反応の生成する異性体に関して、マルコフニコフ則とザイツェフ-ワグナー則が知られている。両者とも実験からの経験則で、次に示す。 マルコフニコフ則:"HX付加の場合、置換基の多い側にXが付加する" ザイツェフ-ワグナー則:"両炭素の置換基数が同等のオレフィンへのHX付加の場合、XはCH3-基が置換している方、あるいは末端に近いほうの炭素に付加する" これらの法則は、遷移状態のカルボカチオンのうち、置換基のI効果によりδ+の電荷が安定化されるほうにX-が攻撃するためであると理解されている。カルボカチオンの安定化は芳香環による共鳴、水素原子による超共役によっても引き起こされる。 求電子付加の例付加試薬付加される化合物生成物H3O+ R2C=CR2 R2C(H)-(HO)CR2 H2SO4 R2C(H)-(OSO3H)CR2 X2 R2C(X)-(X)CR2 X2, H3O+ R2C(X)-(HO)CR2 HX R2C(X)-(H)CR2 NOCl R2(NO)-(Cl)CR2
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