榎本滋民とは? わかりやすく解説

榎本滋民

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/17 14:19 UTC 版)

榎本 滋民(えのもと しげたみ、1930年2月21日 - 2003年1月16日[1])は、日本劇作家演出家小説家日本演劇協会理事をつとめた[2]

経歴

東京府生まれ。1951年に國學院大學文学部中退[3]近世文学芸能の研究を経て、戯曲・小説の創作を手がけ、演出も行う[4]

雑誌編集のかたわら、1961年、オール讀物の懸賞戯曲に『孤塁』が入選。同1961年、新派の「花の吉原百人斬り」でデビュー[5]

主な戯曲新国劇の『同期の桜』、新派の『寺子屋お登勢』、その他『愛染め高尾』『たぬき』『浮世節立花家橘之助』があるほか、『明日のことは知らず候』『お前極楽』などの小説も執筆した。1977年には芸術祭大賞を受賞した[1]

演出作品に「薄桜記」「築山殿始末」「権三と助十」、脚色・演出は「重ね扇」など多数[6]

また、フジテレビ系列で放送された『三匹の侍』(1964年 - 1969年)の脚本を手掛けるなど、テレビドラマの制作に携わった事もあった。

落語研究家でもあった。1999年までTBSで30年間続いたテレビ番組『TBS落語特選会』では、解説員として山本文郎アナウンサーと共にちゃぶ台に並んで座る姿がよく知られていた。

2003年1月16日、自宅が火事となり、焼け跡から遺体となって発見された。72歳没[1]

受賞

出典:日外アソシエーツ現代人物情報

  • オール読物一幕物戯曲入選〔昭和36年〕
  • 四人の会賞〔昭和41年〕
  • 芸術祭大賞〔昭和52年〕「愛染め高尾」
  • 大谷竹次郎賞(第27回)〔平成10年〕「鶴賀松千歳泰平」

著作

単著

  • 『落語小劇場』(1970年、寿満書店)
  • 『夢二恋歌』(1974年講談社
  • 『お前極楽 江戸人情づくし』(1975年、講談社)のち論創社 
  • 『落語俗物園』(1976年、三樹書房)
  • 『長屋歳時記 大江戸庶民明け暮ればなし』(1982年、たくみ書房)
  • 『古典落語の世界』(1984年、講談社)
  • 『古典落語の力』(1988年筑摩書房 ちくまライブラリー)
  • 『落語ことば辞典―江戸時代をよむ』(2004年岩波書店京須偕充編)のち『落語ことば・事柄辞典』として角川ソフィア文庫
  • 『榎本版 志ん朝落語』(2005年ぴあ

共著・編著

  • 『大衆芸能資料集成 第4巻 寄席芸 1 落語』編著、(1981年、三一書房)
  • 『殺し文句の研究 part 2』共著、1987年、読売新聞社
  • 『落語名人大全』三田純市共編 講談社 (スーパー文庫) 1995年

脚注

  1. ^ a b c “劇作家の榎本滋民さん焼死”. 共同通信社. 47NEWS. (2003年1月17日). http://www.47news.jp/CN/200301/CN2003011701000502.html 2012年8月5日閲覧。 
  2. ^ 朝日新聞人物データベース
  3. ^ 朝日新聞人物データベース
  4. ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
  5. ^ 朝日新聞人物データベース
  6. ^ 読売人物データベース




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