木村義雄名人の裁定により、処分取り消し
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「陣屋事件」の記事における「木村義雄名人の裁定により、処分取り消し」の解説
升田の行動を非として厳しく処分した連盟執行部に対し、世論が反発した。将棋通の著名人が、連盟の対処の当否を巡って新聞や雑誌で議論を戦わせる事態となった。棋士からは、「陣屋事件」について棋士総会に諮らずに、理事会だけの判断で升田を処分したことに異議が唱えられた。3月4日に開かれた棋士総会では「『陣屋事件』の解決については、木村義雄名人に一任する」という結論となり、3月15日に改めて開かれた臨時棋士総会で、木村の裁定が発表された。 一、升田八段は今回の対局拒否につき遺憾の意を表する。二、理事会は行きすぎのあったことにつき遺憾の意を表する。三、升田八段の会員待遇停止処分(一字不明)十五日をもって解除する。四、理事の提出した辞表は受理しない。 — 木村名人の裁定について報じた、毎日新聞の記事(昭和27年3月15日夕刊)から引用、 理事、臨時棋士総会に出席した棋士たちは、木村の裁定を了承した。なお、升田は「帰郷中」で3月15日の臨時棋士総会を欠席した。 升田が第1期王将位を獲得したことが確定し、「陣屋事件」が起きた第6局(手合割は香落ち)は改めて升田の不戦敗となり、3月30日・31日に東京・赤坂の「比良野」で行われた第7局(手合割は平手)は升田が勝ち、第1期王将戦は升田の5勝2敗で終了した。
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