陽否陰述
暗示的看過法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/05 20:53 UTC 版)
暗示的看過法(または逆言法、Paralipsis, or praeteritio, preterition, cataphasis, antiphrasis, parasiopesis)とは、話者あるいは作家が言うべきことを言わないと言いながら、主題について述べる修辞技法である。イロニーの修辞学的な相対語とも言える。暗示的看過法は人身攻撃に使われる場合が多い。 一般的に、暗示的看過法は、不当な意見を言った話者を同時にそこから遠ざけるのに使われる。たとえば、政治家の次のような言葉である。 私は、敵が酔っぱらっているという申し立てについてすら話したくない。 英語で最もよく用いられるのは、「not to mention(言うまでもない)」というフレーズである。 彼女は才能がある。豊かであるのは言うまでもない。 この言い方は、修辞的な力を全部とは言わないがほとんど失っていて、もはやありきたりなものである。「言うまでもない」という言葉は、豊かであるという主張から話者を遠ざける技法としての働きをもはや果たしてはおらず、「そして、豊かだ」を別の言い方で述べているにすぎない。一方、「if I don't say so myself(自分で言うのも何だけど)」は、「if I do say so myself(自分で言うのも何だが)」という肯定の間違いだが、話者の謙遜を示す意味を持つ。 Proslepsisは、無視すると言いながら事の詳細を語ってしまう、極端な暗示的看過法である。 我々の尊敬する敵がまだ口についたウォッカの空瓶と一緒に、裏通りで眠りこんでいたのを見つかった、去年の冬のことを言って身を落とすつもりなど私にはない。。 暗示的看過法はキケロが弁論の中でよく使った。 君がカティリナを助けることによってローマ市民の我々を裏切ったという事実を、私は言うつもりはない。
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