時効の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 01:17 UTC 版)
フランス法にならった治罪法(明治13年=1880年公布)の「期満免除」の制度が起源で、1924年(大正13年)に公布された旧刑事訴訟法には「時効中断」(旧刑事訴訟法第285条1項)の制度が基本であったが、第二次世界大戦後、GHQの勧告により「時効停止」の制度に変り、現在の刑事訴訟法は「時効停止」制度を採用している。 しかし、税法における通告処分については公訴時効の中断の効力を有するとしており(国税犯則取締法第15条、関税法第138条第3項、地方税法第74条の30等による国税犯則取締法の準用)、判例(昭和39年11月25日 最高裁判所大法廷 判決)では、時効制度は立法政策の問題であり、刑事訴訟法が、一般的には時効中断の制度をとらなかったからといって、国税犯則取締法第15条の公訴時効中断の効力を否定するものではないとしている。 「時効中断」とは公訴提起によってそれまで進行していた時効期間が元に戻ることであり、「時効停止」とは、公訴提起等の一定の事由により公訴時効の進行を停止させ、停止事由が消滅した後、再び残りの時間が進行することを指す。現行刑事訴訟法は、一般的には時効停止の制度のみを認める。例えば、殺人未遂罪(最高刑は死刑で公訴時効までの期間は25年)の事件から20年経過後に起訴され、その後、公訴棄却や、管轄違いの判決などを受けて、そのまま再び起訴されずに5年が経過すれば、公訴時効は完成する。時効が完成すれば、たとえ公訴提起されても、免訴判決(刑事訴訟法第337条4号)がなされることになる。
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