料金体系と市場の動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 06:03 UTC 版)
発売当初のガラホは話題こそ集めたものの、料金体系がスマートフォン用の高額な料金プランに若干の割引を付けた程度だった事もあって、売れ行きは芳しくなかった。 しかし2015年夏、この弱点を突く形でNTTドコモが従来型フィーチャーフォンで提供中のキャップ制料金を携えて参入すると、KDDIもドコモの料金プランの問題点を見抜いたかのように即座に対抗プランを打ち出すといった料金競争が始まった。またソフトバンクも両社に追随し、2015年の秋からスマートフォンより割安で従来型フィーチャーフォンに近い料金プランで参入した。こうした料金競争は2016年の秋にも再び起こり、スマートフォンで導入されていた5分以内の通話に限り回数制限無しで利用できる制度を(スマートフォンよりも安い基本料金で)導入したり、データ通信プランの価格改定や新設などの応酬が繰り広げられた。さらにMVNOとしては初となる、楽天モバイルによるガラホの取り扱いも発表された。 これらの競争の結果、現在は音声通話専用として基本料金のみで契約したり、Eメールなど少量のパケット通信であれば従来型フィーチャーフォンと同程度(もしくはデータ容量当たりの単価の差から、むしろ従来型よりも割安になるケースすらある)の料金で利用する事も可能となっている。この影響を受けてか一時はKDDIとソフトバンクでは公式オンラインショップの人気機種ランキングで各メーカーのスマートフォンと並んでガラホが上位に入るといった現象も起きており、従来型フィーチャーフォンのユーザーのニーズを掴む事に成功したと見られる。なお、スマートフォン向けの高額な料金プランから若干の割引をした初期の料金プランは現在も廃止されておらず、また先述のようにガラホを取り扱うMVNOが出始めた事もあり、データ通信を多用するヘビーユーザー向けの選択肢も充実しつつある。 またガラホを製造しているメーカーについては、当初はシャープ1社のみだったが、ドコモの参入に合わせて富士通が、ソフトバンクの参入に合わせて京セラがそれぞれガラホの開発に乗り出した。3社が従来型フィーチャーフォンからガラホへの移行に注力する中、パナソニックだけが従来型フィーチャーフォン(ドコモ向けのP-01H)を継続して発売していたものの、こちらも辛うじて在庫のあった部品を利用しての生産である事が明かされており、P-01H発売1年後の2016年末までにはiモード携帯すべての出荷を終了している。それと入れ替わるかのようにパナソニックもガラホ「P-01J」を開発し、2016年11月4日に発売を開始した。
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