せい‐ちょう〔‐テウ〕【整調】
整調
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 03:22 UTC 版)
鍵盤のタッチ(弾き心地)を調整する作業を整調という。鍵盤を指で押し始めてからハンマーが打弦し音を出た後、鍵盤から指を離して音が止まるまでのアクションとよばれる各種部品の動作を調整する作業であり、これらは単に鍵盤が押し下がる負荷、重い・軽いの調整だけではなく、アクションの動きが複雑に関係している。ピアノの打弦は、主に打鍵時の瞬間、鍵盤とハンマーが別々の動きをするためのレットオフとよばれる機構と打鍵後ハンマーをリバウンド(跳ね返って2度打ち)させないためのバックチェックとよばれる機構、そして離鍵後、弦を止音するためのダンパー機構からなり、それらの機構の大半は1709年イタリアのクリストフォリによって発案されたが、現代のピアノにおいてもその原理は基本的に変わっていない。これらのそれぞれのタイミングを調整するために1つの鍵盤につき20~30におよぶ調整箇所があり、88鍵盤全てを均一に整える作業である。整調作業がおろそかになると、連打がしにくい、強弱の差にばらつきがでるなどし、過度の場合には、鍵盤が下がったままや2度打ち、音が出ない、などの症状が生じる。整調には工場で新品が組み立てられた段階で行われるものと、使用により部品の摩耗などのため不具合ができてきた時に行われるものと二つがあり、前者は基準の寸法に適合するように整調すればよいが、後者は摩耗の度合いによって修理も含めこれに対応する整調が望まれるので、後者のほうがより多くの経験を必要とする。
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