指名された高官らの不祥事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:24 UTC 版)
「バラク・オバマ」の記事における「指名された高官らの不祥事」の解説
政権発足後にオバマが指名したスタッフらによる不祥事の発覚が相次いだ。アメリカ合衆国財務長官候補のティモシー・フランツ・ガイトナー、アメリカ合衆国保健福祉長官候補のトム・ダシュル、行政監督官候補のナンシー・キルファーに納税漏れが発覚し、加えて支持者からダシュルへのリムジン提供が明るみとなり、上院での指名承認が大幅に遅れる事態となった。この事態を受け、ダシュルとキルファーは指名を相次いで辞退した。批判を浴びたオバマは、ダシュル指名を「大失敗」 だったと認めて謝罪した。 また、アメリカ合衆国商務長官候補に至っては、指名者が次々に辞退する異例の事態となった。最初に指名されたビル・リチャードソンは、自身に献金していた企業が捜査対象となったため、連邦議会での承認手続きの前に指名を辞退した。続いて指名されたジャド・アラン・グレッグは、オバマとの政策的な対立が解消せず、同じく指名を辞退した。 また、国家経済会議議長のローレンス・サマーズが、D・E・ショウから顧問料として年間520万ドル超の収入を得ており、さらにリーマン・ブラザーズやシティグループから講演料との名目で年間約277万ドルを受領していたことが、ホワイトハウスによる資産公開にて明らかにされた。 論功行賞に基づく大使人事 大統領選挙中、オバマはジョージ・W・ブッシュ政権の外交官(特命全権大使)人事に対して「政治利用しすぎる」と強く批判しており、自らが政権を獲った際には「実力を優先する」 と断言していた。しかし、実際に大統領の地位に就くと、オバマは前言を翻し縁故や論功に基づく人事を繰り返した。 特命全権大使に指名された者のうち、職業外交官以外が占める割合は、ブッシュ・ジュニア政権では3割程度に過ぎなかったのに対し、オバマ政権では6割を占めている。かつて情実人事で批判を受けたケネディ政権ですら3割に留まっており、過去の歴代政権と比較してその割合は突出している。 さらに主要国に駐在する大使には、オバマに対して多額の献金を行った支援者らが次々に指名されている。具体例として、駐日本大使のジョン・ルース、駐フランス大使のチャールズ・リブキン(英語版)、駐イギリス大使のルイス・ズースマンらは、いずれもオバマに対し多額の献金を行っていたことが知られており、外交経験がほとんどないにもかかわらず指名された。市民オンブズマン団体「公共市民(英語版)」の代表者らは「大口献金者を優先する大使人事は相手側諸国への侮辱」 に値する行為であると指摘するなど、オバマの論功行賞的な外交官人事は厳しく批判された。
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