承継人の不存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:18 UTC 版)
「パブリックドメイン」の記事における「承継人の不存在」の解説
相続人なく知的財産権の権利者が死亡した場合において、相続財産の清算のために相続財産管理人によって著作権が譲渡されなかった場合、あるいは権利者である法人が解散した場合において、その著作権を帰属させるべき者が存在しない場合(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律239条3項に該当する場合など)や清算法人の財産の清算のために清算人によって著作権の譲渡がされなかった場合は、知的財産権は法定の保護期間満了を待つことなく消滅する(著作権法62条1項、2項、特許法76条、実用新案法と意匠法では特許法を準用)。 民法などの原則をそのまま適用すれば、知的財産権はいずれの場合も国庫に帰属するはずである(民法959条、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律239条3項)。しかし、著作権法など知的財産に関する法律では、知的所産であり広く国民一般に利用させるのが適切として、特別規定を置き権利を消滅させることとしている。 相続人不存在の場合、特許権などは、相続人の捜索の公告の期間内に権利主張をする者が表れなかった場合に権利が消滅するのに対し(特許法76条)、著作権は、それに加えて特別縁故者に対する相続財産の分与もされなかった場合(民法959条に該当する場合)に初めて権利が消滅する(著作権法62条)という差異がある。
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