心身問題
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心身問題(しんしんもんだい、英語:Mind–body problem)とは哲学の伝統的な問題の一つで、人間の心と体の関係についての考察である。この問題はプラトンの「霊―肉二元論」にその起源を求めることも可能ではあるが、デカルトの『情念論』(1649年)にて、いわゆる心身二元論を提示したことが心身問題にとって大きなモメントとなった。現在では心身問題は、認知科学・神経科学・理論物理学・コンピューターサイエンスといった科学的な知識を前提とした形で語られている。そうした科学的な立場からの議論は、哲学の一分科である心の哲学を中心に行われている。
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- ^ Astronomer Says Spiritual Phenomena Exist in Other Dimensions By Tara MacIsaac, Epoch Times | April 7, 2014
心身問題
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心身問題は、人体と人間の心との関係を明らかにする問題である。この問題に関する哲学的立場は、一般的に、一方を他方に還元するか、または両者が独立して併存しているとするか、いずれかの立場に基づいている。この問題の例として、二元論的な描き方を支持したデカルトがよくあげられる。問題は、心と体の相互作用が二元論的な枠組みの中でどうすれば確立できるのかということである。神経生物学と創発が、心の物質的機能を脳の機械特性から創発するいくつかのさらなる特徴の表れであると認めたことで、問題はさらに複雑化した。脳は本質的に深い睡眠中に意識的思考の生成を停止する。このようなパターンを復元する能力は科学的に謎のままであり、現在の研究の主題である(神経哲学も参照)。
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