建造物環境下における人間との相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/31 06:55 UTC 版)
「微生物生態学」の記事における「建造物環境下における人間との相互作用」の解説
微生物は、家やオフィス、商業センター、病院などを含む、ありとあらゆる環境に存在している。このような建築物環境における微生物の生態を明らかにすることは、公衆衛生上の大きな課題となっており、研究が進められている。例えば2016年にMicrobiome誌上で、建造環境における微生物生態学を研究するためのさまざまな研究成果が纏めて公開された。 病院中の病原菌に関して調べた2006年の研究では、その生存能力は微生物種によって異なり、数日しか生存しないものもあれば、数か月生存するものもあることが報告されている。家庭内における微生物の寿命も、同様に異なる。一般に細菌やウイルスは、湿度が10%を超える湿潤環境を必要とする。このような環境であれば、例えば大腸菌は数時間から1日程度生き残ることができる。また、胞子を形成する細菌はより長く生存でき、Staphylococcus aureusは数週間、または炭疽菌の場合は数年間生存する可能性がある。家庭では、ペットが細菌のキャリアになることがある。たとえば爬虫類は、一般的にサルモネラの保菌者となりうる。 黄色ブドウ球菌(S. aureus)は一般的に見られる微生物であり、日和見感染をすることで、人口の約30%に無症状状態で感染しコロニーを形成している。このようなコロニーを壊そうという試みはなされて来たが、限定的にしか成功した報告がない。
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