年周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 02:11 UTC 版)
越冬は底盤と茎部のみで行われる。日本での観察では、5月はじめに茎の先端または二番目の節から新たな芽が伸び出す。その芽は伸びるにつれて横切る形に節を作り、先端の節が萼部に発達する。普通は萼部は先端に一つ作られるが、短い茎では先端側の二節ないし三節から複数の萼部が作られる。時にはその基部から二次的な萼部を生じる。10月末にはこのような出芽部分と萼部は死んで落ちてしまう。冬には底盤と茎が残るが、茎の数は減少し、そのような段階では節にはミルク状の小胞が満ちているのが観察されている。この休眠期に、断裂した節が休芽のようにして分散の役に当たる。 なお、萼部が形成される場合、まずは茎先端、あるいは二番目の褐色をした節部の下に裂け目を生じ、新たな芽はこのすき間から出てくる。それが伸び出し、先端が膨らんで鈴状となる。裂けた部分より上の節はしばらく側面にぶら下がって残存する。先端の鈴状の部分には触手を生じ、萼部が形成される。同時に、萼部の下に分節を生じて2節分の茎となる。ここまでに25℃では7日を要し、20℃では2週間かかる。 なお、織田(1983)はこのような性質を利用し、休眠状態のものを冷蔵保存し、必要に応じて20-25度に戻して観察することを述べている。
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