山城国の月神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 00:47 UTC 版)
「月読神社 (京都市)」の記事における「山城国の月神」の解説
桂川と合流する綴喜郡の木津川流域には、隼人との関係が推測される月読神社や樺井月神社が、保津川を通じて葛野郡に隣接する丹波国桑田郡には小川月神社が存在するなど、桂川周辺には月神を奉祀する信仰の遺跡が広範に確認できる。『山城国風土記』逸文に、その事実を示す「桂里」の地名由来神話がある。「桂里」は『和名抄』に見えず、当該記事は古風土記のものではなく後世に述作された可能性が高いとされる。月と桂を結び付ける観念自体は古代中国に存在するものであるから、これが「葛」や「楓」をあてていたカツラの地名を「桂」の表記に固定化させていった過程に誕生した神話であると考えられる。そして、上に挙げた幾つかの神社を拠点に、強固な月神信仰の繁栄した結果であり、山背への月読分祀の背景には,単なる葛野の月読神社という1神社の移遷に留まらない、大規模な動きがあったと考えられる。
※この「山城国の月神」の解説は、「月読神社 (京都市)」の解説の一部です。
「山城国の月神」を含む「月読神社 (京都市)」の記事については、「月読神社 (京都市)」の概要を参照ください。
- 山城国の月神のページへのリンク