定義の曖昧さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 05:59 UTC 版)
日本においては、年齢と学習段階のどちらを基準にして進級すべきかという方面の教育制度については、1947年の学制改革以来約60年間にわたり以前の習慣にならう意識が強く、その改革や研究についてはあまり話題にならなかったため、各用語はあまり意味が整理されていない。そのため、年齢主義、年数主義、課程主義、履修主義、修得主義という用語のうち、どの用語にどの意味を付与するかということは、それぞれの学者によって考え方が違うため、事典などでさえも定義が統一されていない。例えば年齢主義と課程主義を、進級基準の意味で解説している事典もあるが、義務教育終了基準の意味で解説している事典もある。また年齢主義と年数主義を同じ意味で使っている事典、履修主義と修得主義を同じ意味で使っている事典も存在する。なお本記事では、年齢主義・課程主義については、記事全体では「何を基準として当該学年に所属させるか(進級させるか)」という進級基準の意味で使用・解説し、「何を基準として義務教育期間の開始と終了とするか」という義務教育終了基準の意味でも、特記した上で部分的に使用・解説している。 また、年齢主義という言葉は、「一定年齢にならなければ入学・進級できない」という意味に使われる場合と、「一定年齢になれば卒業(退学)・進級しなければならない」という意味に使われる場合がある。課程主義という言葉も、「一定の学力がなければ入学・進級できない」という意味に使われる場合と、「一定の学力があれば早期卒業・飛び級できる」という意味に使われる場合がある。このため、上記のようなことを細かく論ずる際には、年齢主義・課程主義という言葉をそのまま用いるよりも、「強制進級制」や「進級試験制」、「飛び級制度」や「最低年齢制限」などの個別の用語を用いた方が理解しやすい場合もある。
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