女性から男性へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 08:50 UTC 版)
女性から男性への手術 (FTM SRS) では、いくつかの段階に分けておこなわれる。 (1) 子宮卵巣摘出術 子宮、卵巣、卵管の摘出。 (2) 膣粘膜切除・膣閉鎖術 膣の内壁を切除し膣を閉じる。 (3) 尿道延長術 膣前壁皮弁、大小陰唇、前庭部の皮膚などの組織を切り取って移植し尿道を作り、のちの陰茎形成のために延長しておく。 (4) 陰茎形成術 陰茎形成には様々な方法がある。 ALT(Anterolateral Thigh Flap) 前外側大腿皮弁法 MLD(Musculocutaneous Latissimus Dorsi Flap) 広背筋皮弁法 FFF(Free Fibula Flap) 腓骨皮弁法 腹部皮弁法 下腹部、鼠蹊(そけい)部などの皮弁を用いて陰茎形成する。 陰核陰茎形成術 (Metaidoioplasty) 長期間の男性ホルモン療法により肥大した陰核の腹側の索条物を外して、上方に翻転させてミニペニスを形成する。立位での排尿が可能となる上、身体のほかの部分に組織提供部を必要とせず傷を残さないため、この手術を希望し選択する当事者も多い。このミニペニスに満足できない場合、すでに延長した尿道をそのまま利用して、本格的な陰茎形成もできる。 マイクロサージャリー法 前腕皮弁または上腕部のデルトイド皮弁を切り取り、筒状に細工して陰茎の形状にし、マイクロサージャリー(英語版、ドイツ語版、ベラルーシ語版、ギリシア語版)(顕微鏡下での神経血管接続手術)で陰核の部分に接続する。切り取られた前腕部には、臀部の表皮をはぎ取り前腕部組織の回復処置を行うが、完全に元の状態には戻らないことが多い。性交渉を望む場合は、陰茎形成時に内部にポケット状の空間を確保し、約1年後に特殊な折り曲げ可能なインプラントを挿入して完成する。 (5) 陰嚢形成 大陰唇の組織の内部にシリコンプロテーゼを挿入し陰嚢の形状に形成する。
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