奈良電気鉄道とは? わかりやすく解説

奈良電気鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/30 05:41 UTC 版)

奈良電気鉄道(ならでんきてつどう)は、現在の近畿日本鉄道(近鉄)京都線に当たる鉄道路線を建設した鉄道会社である。通称は「奈良電」、「奈良電鉄」。沿線で路線バス事業も行っていた。


注釈

  1. ^ 橋脚が夜間演習の障害になるとして、陸軍より計画の変更を求められたと社史にあるが、無橋脚を求めたのは現地部隊であり、本省の方での最終決定は一基は設けても良いとのものであった。
  2. ^ 建設においては、干拓中であった巨椋池の築堤をかなりの区間で流用し、これはすでに同池の全面的な干拓計画が進行中であったという幸運な条件があったという説が散見されるが、巨椋池の干拓事業が決定されたのは開業後の1932年(昭和7年)のことであり、この説には無理があるとも思われ、当時の奈良街道(大和街道)の重要性を考えると、完全に崩して鉄道用に使うことは難しかったと思われる。そのため、現存する太閤堤由来の地形と、干拓直前の航空写真にある奈良街道の築堤から考えて、移設などにより干拓前に街道と共存する形で鉄道用に流用できた築堤は、宇治川 - 小倉間3km以上のうち向島駅前後の数百mに過ぎないと考えられる。[要出典]
  3. ^ その代わりとして、近鉄が保有していた京福電気鉄道の株式が京阪に譲渡されている。
  4. ^ のちに京都営業所(京田辺市内)と平城営業所(精華町以南)管内となる。山田川 - 上野市など廃止となった路線もある。
  5. ^ 跡地は系列の運送会社、近鉄物流の南京都営業所となり、同社がグループ外の近物レックスとなったのちも使用している[67]
  6. ^ ただし、向島ニュータウン周辺の路線は団地の開発に伴う1970年代後半以降の開設。竹田と向島を結ぶ路線は2011年に桃山以北の延伸による開設であり、近鉄バスの現存路線に奈良電由来の路線はほぼ残っていない。
  7. ^ 『日本鉄道旅行地図帳』では4月1日改称[71]。『近畿日本鉄道 100年のあゆみ』では竹田駅に1月改称[72]

出典

  1. ^ a b c d e f g 「私鉄要覧(2)」『鉄道史料』第94巻、鉄道史資料保存会、1999年5月、75頁。 
  2. ^ 「私鉄要覧(1) 運輸省鉄道監督局監修 昭和32年度」『鉄道史料』第93巻、鉄道史資料保存会、1999年2月、59頁。 
  3. ^ アルファベータブックス「近鉄京都線・橿原線 街と駅の1世紀」
  4. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 2-3.
  5. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 3-4.
  6. ^ a b 『奈良電鉄社史』, p. 3
  7. ^ a b c 『奈良電鉄社史』, p. 4
  8. ^ a b 『向島村、佐保村間及田辺町、八幡町間鉄道敷設免許の件』 1922年11月16日 (国立公文書館所蔵)
  9. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 4-5.
  10. ^ a b 『田辺町、八幡町間鉄道免許失効の件』 1925年8月26日 (国立公文書館所蔵)
  11. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 5-6.
  12. ^ a b 『起業目論見書記載事項変更の件』 1924年10月25日 (国立公文書館所蔵)
  13. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 6-7.
  14. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 7-8.
  15. ^ a b 『奈良電鉄社史』, p. 8
  16. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 8-9.
  17. ^ 『工事施行の件』 1925年8月2日 (国立公文書館所蔵)
  18. ^ a b 『奈良電鉄社史』, p. 9
  19. ^ 『線路及工事方法変更の件』 1927年8月12日 (国立公文書館所蔵)
  20. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 9-10.
  21. ^ a b c 『奈良電鉄社史』, p. 10
  22. ^ a b c 『奈良電鉄社史』, p. 11
  23. ^ 『小倉村、伏見町間延長線敷設免許の件』 1926年12月25日 (国立公文書館所蔵)
  24. ^ 「奈良電気鉄道小倉伏見間工事施行一件」(京都府立京都学・歴彩館所蔵)
  25. ^ a b 『奈良電鉄社史』, p. 13
  26. ^ 陸軍省大日記乙輯昭和3年「伏見練兵場及工兵第十六大隊作業場ノ(兵営西方ノ分)一部整理ノ件」(アジア歴史資料センター・データベース所蔵)
  27. ^ 武島良成「奈良電気鉄道の澱川橋梁と高架橋の神話」『京都教育大学紀要』第119巻、京都教育大学、2011年9月、1-16頁、CRID 1050845762913145984hdl:20.500.12176/7177ISSN 0387-7833 
  28. ^ a b 『奈良電鉄社史』, p. 15
  29. ^ 計画再変更の時点で、桃山御陵前の地下駅設計図などは既に建設を担当する大林組によって作成が完了しており、先行して同社が担当した京阪電気鉄道新京阪線(現:阪急京都本線西院 - 京阪京都間と類似の施設設計であったとされる。
  30. ^ 徳永慶太郎「近鉄昔ばなし」、『鉄道ピクトリアルNo.569』 pp.121-122
  31. ^ 『奈良電気鉄道の地下化阻止の論拠となった[独自研究?]松原厚博士の論文(松原厚「伏見町の地下水に就いて」『釀造學雜誌』第6巻第8号、大阪釀造學會、1929年3月、568-588頁、CRID 1541417145241622912NAID 110002802312 
  32. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 13-14.
  33. ^ 『伏見線工事施行の件』 1928年3月23日 (国立公文書館所蔵)
  34. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 14.
  35. ^ 『伏見線起点二哩七十鎖、桃山御陵前間工事施行の件』 1928年5月26日 (国立公文書館所蔵)
  36. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 15-17.
  37. ^ a b c d 『奈良電鉄社史』, p. 22
  38. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 25.
  39. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 25-26.
  40. ^ a b 『民営鉄道の歴史がある景観III古今書院』
  41. ^ 「奈良電気鉄道伏見京都延長線免許一件」(京都府立京都学・歴彩館所蔵)
  42. ^ a b 『奈良電気鉄道(株)申請の京都駅表口、東寺間(未成線)地方鉄道運輸営業廃止について』 1963年10月15日 (国立公文書館所蔵)
  43. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 31.
  44. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 34.
  45. ^ 奈良電在籍車両の大阪電気軌道乗り入れに関しては、西大寺 - 奈良・西大寺 - 神宮前(現在の橿原神宮前駅に相当。ただし場所は異なる)、平端 - 天理間について1928年6月29日に申請を実施し、同年11月1日に鉄道大臣の、同月26日に内務大臣の認可をそれぞれ得ている。
  46. ^ 『第37回報告書 自昭和三年十月一日 至昭和四年三月卅一日』、大阪電気軌道、p.2
  47. ^ a b c 『奈良電鉄社史』, p. 41
  48. ^ 『小倉村、中道町間鉄道敷設免許の件』 1929年06月26日 (国立公文書館所蔵)
  49. ^ 『大阪市東成区森町奈良市下三条通間鉄道敷設免許ノ件』 1929年06月26日 (国立公文書館所蔵)
  50. ^ 『平城村、奈良市間鉄道敷設免許の件』 1928年4月4日 (国立公文書館所蔵)
  51. ^ 『奈良市、桜井町間延長線敷設免許の件』 1928年7月1日 (国立公文書館所蔵)
  52. ^ 『奈良、桜井間工事施行願却下の件』 1942年1月27日 (国立公文書館所蔵)
  53. ^ 『運輸協定書(写)』1943年2月6日 (国立公文書館所蔵)
  54. ^ 現在の阪急阪神ホールディングス株式会社。阪神急行電鉄と京阪電気鉄道は阪神急行電鉄を存続会社として1943年10月1日に合併し、戦後の1949年12月1日に京阪由来の路線は淀川西岸(新京阪線)を京阪神急行電鉄(阪急)に残す形で京阪電気鉄道として分離独立した。
  55. ^ 『御請書』1944年7月19日 (国立公文書館所蔵)
  56. ^ 『奈良電鉄社史』
  57. ^ 『鉄道ピクトリアル No.695』p.105
  58. ^ 当時の奈良電気鉄道は資本金9,500万円 発行株式190万株
  59. ^ 神崎宣武『経営の風土学 : 佐伯勇の生涯』河出書房新社、1992年、205頁。ISBN 430900783X全国書誌番号:93005262 
  60. ^ 1962年5月10日に免許
  61. ^ (『奈良電鉄社史』)には1962年4月28日
  62. ^ 『京阪百年のあゆみ』
  63. ^ a b 『奈良電鉄社史』, p. 93-97
  64. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 98.
  65. ^ a b 『奈良電鉄社史』, p. 103-104
  66. ^ 『近畿日本鉄道100年のあゆみ』P867・869
  67. ^ 拠点一覧”. 近物レックス. 2021年12月31日閲覧。
  68. ^ 『奈良電鉄社史』, p. 104-107.
  69. ^ 日本鉄道旅行地図帳 追加・訂補 8号 関西1”、鉄道フォーラム、2021年10月14日閲覧。
  70. ^ 鉄道省監督局「地方鉄道・軌道異動表」『電気協会雑誌』第224号、日本電気協会、1940年8月、附録5頁。(国立国会図書館デジタルコレクション)
  71. ^ 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 8 関西1、新潮社、2008年、27頁。ISBN 978-4-10-790026-5 
  72. ^ 近畿日本鉄道株式会社『近畿日本鉄道 100年のあゆみ』近畿日本鉄道、2010年12月、681頁。全国書誌番号:21906373 
  73. ^ 『奈良電気鉄道(株)申請の小倉、宇治間(未成線)運輸営業廃止について』 1954年8月3日 (国立公文書館所蔵)
  74. ^ 『近畿日本鉄道株式会社、奈良電気鉄道株式会社申請の会社合併について』 1963年8月26日 (国立公文書館所蔵)
  75. ^ 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 8 関西1、新潮社、2008年、27-28頁。ISBN 978-4-10-790026-5 
  76. ^ 京阪の三条駅と奈良電の京都駅のどちらかが被災しても、もう片方の駅を使用して運行ができるようにすること。
  77. ^ 1969年9月21日に実施。なお京阪も1983年12月4日には直流1,500Vに昇圧した。
  78. ^ これにより、1968年9月の京阪線ATS稼働開始の段階で当該ATS装置を持たない近鉄車両による京阪線乗り入れは不可能となっている。
  79. ^ 一部は国鉄からの引き継ぎ域であった。
  80. ^ このうち1700系の近鉄乗り入れの写真が『鉄道ピクトリアル』1984年12月臨時増刊号(電気車研究会編、1984年)に掲載されている。また1800系の近鉄乗り入れの写真が同志社大学鉄道研究会公式ホームページ「DRFC-OB デジタル青信号」に掲載されている(参照)。
  81. ^ 出典:『京阪百年のあゆみ』(京阪電気鉄道編、2011年)資料編214頁
  82. ^ 出典:『京阪神からの旅行に便利な交通公社の時刻表』(日本交通公社関西支社編)1957年1月号に記載された京阪三条駅時刻表
  83. ^ 出典:『京阪神からの旅行に便利な交通公社の時刻表』(日本交通公社関西支社編)1957年1月号および1957年11月号に記載された京阪三条駅時刻表
  84. ^ 出典:『京阪神からの旅行に便利な交通公社の時刻表』(日本交通公社関西支社編)1957年1月号および1957年11月号、1968年7月号に記載された京阪三条駅時刻表
  85. ^ 出典:『京阪百年のあゆみ』(京阪電気鉄道編、2011年)資料編216頁
  86. ^ 鉄道ピクトリアル』アーカイブスセレクション25「京阪電気鉄道1960 - 1970」、2013年4月(電気車研究会刊) 159頁
  87. ^ 1972年から「快速急行」となる。
  88. ^ 近鉄買収後はモ430形と改称された。1969年の昇圧時、対応改造が難しいことと運用年数が長いことから、救援車に改造された1両を除き廃車となった。
  89. ^ 近鉄買収後は順にク595形・ク590形となる。昇圧時にク400形に整理・統合された。
  90. ^ ただし電装品は従来通りの東洋電機製造製で、三菱電機製品を採用したモ600形とは一線を画していた。近鉄買収後はモ670・ク570形に改称された。
  91. ^ デトボ351(旧デワボ502)とデワボ501の機器を流用して車体を新造。近鉄合併後、モ455形を経てモ455形およびク355形となり、さらに1969年の昇圧でモ400形およびク300形となった。
  92. ^ 合併後、それぞれモ680・690形となった後、特急車として大改造を施され、モ680・ク580・モ683形となる。
  93. ^ 寺本光照「近鉄の列車運転アラカルト」『鉄道ピクトリアル』第954号、電気車研究会、2018年12月、137頁。 


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