天地をつなぐ樹木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/18 14:14 UTC 版)
世界を構成する巨大な木として『山海経』や『淮南子』などには、建木・扶桑(扶木)・若木などが見られ、古代中国で考えられていた世界樹といえるような存在が断片的に書き残されている。文献上に巨木についての信仰や神話の記述がとぼしいため、古代の実態について詳しくたどれる箇所は少ないが、このような巨樹の存在はミャオ族など中国の諸民族に残る神話や民間信仰のなかにも見られ、そこでは背の高い柱を立てて行う祭などが存在している。また、各地に伝わる大きな樹木や花を題材にした古くからの工芸品や装飾なども関係性は高いとみられている。 建木・扶桑・若木の三本のなかでも特に建木は、天地の中央に位置し古代の神・帝たちがそれをつかって往来をしたと考えられる記述がある点から、天梯(てんてい。天と交通するためのはしご)、通天柱(つうてんちゅう。天と交通するための柱)としての要素が大きく持たれていたものと見られている。しかし、文字表現などの上では「扶桑」の語が後の時代は多用されており、その要素の多くは扶桑へと集約されていったようである。
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