外交面でのアメリカ合衆国との関係悪化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 07:39 UTC 版)
「第一次世界大戦下の日本」の記事における「外交面でのアメリカ合衆国との関係悪化」の解説
日清戦争や日露戦争に勝利して列強の一角を占めた日本、第一次世界大戦の勝利により「列強の一国」としての地位をさらに強固なものとし、戦後のヴェルサイユ条約により、ドイツが所有していた山東省の権益とアメリカが植民地支配するフィリピンとハワイの間に位置するパラオやマーシャル諸島の統治権を獲得したことや、シベリア出兵を継続するなどしたことが、日本がアジア太平洋地域において排他的経済ブロックを構築し、アメリカによる中華民国への経済進出を阻害するのではないかとの警戒を呼んだ。 これに対してアメリカは、元宗主国で関係が深いイギリスに働き掛けて日英同盟を撤廃させるよう圧力をかけたほか、日本が国際連盟で主張した人種的差別撤廃提案に対しても他国を上回る勢いで強硬に反対した。さらに国内でも、日本人移民が多いカリフォルニア州などを中心に、黄色人種に対する人種差別を背景に日本に対する脅威論が支持を受けた他、これに後押しされた人種差別的指向を持つ諸派が「黄禍論」を唱え、その結果、排日移民法によって日本からアメリカへの移民が禁止された。 これらのアメリカ当局による人種差別も背景にした一方的ともいえる敵対的行動に対して、日本でも反米感情が高まり日米関係は悪化することとなり、日本のアメリカとの別離と、アメリカによるイギリスとの引き離し、その結果としてのドイツ、イタリアへの接近、その後の第二次世界大戦における両国の衝突に繫がった。
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