原因別分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/16 15:07 UTC 版)
続発性無月経は非常に頻度が多い疾患であり、特に視床下部性のものが多い。原発性無月経は極めて稀で染色体異常が原因であることが多い。 視床下部性 原発性としてはカルマン症候群、フレーリヒ症候群、ローレンスムーンビードル症候群、プラダーウィリー症候群などがある。続発性としてはキアリフロンメル症候群、アルゴンツデルカスティーユ症候群、神経因性食欲不振症、体重減少性無月経などがあげられる。カルマン症候群は無嗅覚症を合併する遺伝性疾患であり、視床下部におけるゴナドトロピン産出の低下、全身奇形を伴う症候群である。フレーリヒ症候群は女性型の肥満、性器の発育障害を2主徴とする症候群であり、視床下部に器質性疾患をもつ。頭蓋咽頭腫によるものが最も多く、視覚異常や頭蓋内圧亢進症を伴う場合が多い。ローレンスムーンビードル症候群は肥満、網膜色素変性、多指症、合指症、性腺機能障害、家族内発症を6主徴とする疾患であり、低身長、視神経萎縮、片側腎欠損、難聴、夜盲、尿毒症、精神障害を伴うこともある。キアリフロンメル症候群は妊娠・授乳に関連して起こる視床下部性高プロラクチン血症である。アルゴンツデルカスティーユ症候群は妊娠、授乳に無関係におこり、トルコ鞍にも異常がない視床下部性高プロラクチン血症である。 下垂体性 原発性としては先天性ゴナドトロピン欠損症などがあげられる。続発性としてはシーハン症候群、フォーブスオールブライト症候群、下垂体腺腫などがあげられる。フォーブスオールブライト症候群は下垂体に器質性疾患(大抵は腺腫)が存在するため高プロラクチン血症にいたった場合である。シーハン症候群は分娩時の大量出血またはショックにより下垂体血管の痙縮、二次性血栓が生じ下垂体梗塞によって下垂体機能的低下症が起こる病態である。 卵巣性 原発性としてはターナー症候群などがあげられる。続発性としては多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、早発卵巣機能不全、卵巣摘出などがあげられる。早期卵巣機能不全とは40歳未満で高ゴナドトロピン性低エストロゲン血症(閉経パターン)となる。卵子が0となったときや、FSH、LHの感受性が著しく困難になった場合である。一般に排卵誘発は極めて困難である。 子宮性 原発性としてはメイヤー・ロキタンスキー・クスター・ハウザー症候群(ロキタンスキー症候群)、子宮奇形などがあげられる。続発性としてはアッシャーマン症候群、子宮内膜炎などがあげられる。ロキタンスキー症候群はミュラー管の発生異常による先天性腟欠損症である。卵巣の機能は正常であるが泌尿器系、骨格系の異常を伴うこともある。 アッシャーマン症候群は外傷性子宮内膜癒着症であり子宮腔内の手術操作が原因となる。 腟性 原発性として処女膜閉鎖症、腟閉鎖症があげられる。
※この「原因別分類」の解説は、「無月経」の解説の一部です。
「原因別分類」を含む「無月経」の記事については、「無月経」の概要を参照ください。
- 原因別分類のページへのリンク