協力伝道と各個教会の関係について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 16:13 UTC 版)
「各個教会主義」の記事における「協力伝道と各個教会の関係について」の解説
各個教会主義について南部バプテスト連盟における協力伝道を例に取って考察する。 信仰大覚醒の中でプロテスタント諸派によって国内外の宣教、社会事業、文書伝道、キリスト教教育機関の開設などを活動方針とする団体が組織され、南部バプテスト連盟でもそのような組織が創設された。熱心にこの組織の運営のため人的・財政的支援をする者もいたが、消極的な者やはっきりと「否」を表明する反ミッション主義者もいた。(宣教活動そのものに反対するのではなく、個人や各個教会ではなく組織団体による伝道に反対したグループ) 反ミッション主義者たちは各個教会こそが新約聖書におけるイエスと弟子たち、また原始教会に基づく福音宣教の形であると主張し、協力伝道団体との深い対立に発展した。19世紀初頭の代表的な反ミッション主義者であるジョン・テイラーは宣教団体が推す神学校を卒業した牧師は聖書の原典の知識などを重んじ、翻訳聖書だけでは聖書を理解することはできないと豪語する傲慢な態度を取っているとして批判した。また、神学教育は宣教者派遣のために献金を募ることに関しても組織の運営にとらわれて本来の宣教活動の根本精神を忘れており、伝道団体の報告書の内容も不正確であるとの批判を展開した。 この反ミッション主義者に対する反応は賛否両論で、反ミッション主義者に共鳴して転出していった者もいれば、協力伝道団体を支援しても自らの地域に対する施策がなされず、具体的な還元がないことに不満を感じたために結果として反ミッション主義に立たざるを得なかった者たちもいた。その一方で反ミッション主義者が連盟の一致を乱す存在であるとして反ミッション主義者との関係を断つ者も現れ、対立が深刻化した時期があった。
※この「協力伝道と各個教会の関係について」の解説は、「各個教会主義」の解説の一部です。
「協力伝道と各個教会の関係について」を含む「各個教会主義」の記事については、「各個教会主義」の概要を参照ください。
- 協力伝道と各個教会の関係についてのページへのリンク