動物原料からの採油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 04:03 UTC 版)
「採油 (油脂)」の記事における「動物原料からの採油」の解説
牛脂、豚脂、魚油といった動物油脂は、一般に融出法で採油される。 日本の魚油の大部分はイワシなどの小型魚から得られているが、昔からこれらは魚全体を平鍋で海水と共に20~60分煮沸し、浮いてくる油を分別して採取している。このような方法を「湿式融出法」または「湿式法」という。 これに対して牛や豚は脂身の部分を分別し、細断した後に平鍋に入れて加熱するか、クッカーに投入して水蒸気で間接加熱して油を融出させる。温度は120~130℃、時間は1~2時間が標準である。脂身の組成は通常油分70%、水分20%、繊維質10%程度であり、水分は加熱により蒸発する。この方法を「乾式融出法」または「乾式法」という。 かつて牛脂、豚脂は乾式法で融出していたが、この方法では得られた油脂の着色が著しく、また空気酸化による油の品質劣化の程度が大きいため、近年では湿式法で行われるようになってきている。この方法によれば、油脂の採取は高くても90℃程度の温度で、しかも比較的短時間の処理であるため、高品質のものが高収率で得られるためである。
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