初期の原始的ドーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 14:44 UTC 版)
その地方の材質でドームを建築した文化は先史時代から現代まで散発的に多数存在している。世界初のドームが建設された時期は不明だが、知られている最古のドーム構造物は、1万5千年前から2万年前のマンモスの牙と骨格で作った小さな住居と言われている。1965年、ウクライナのMezhirichという村の農民が地下倉を掘っていて、そのような構造物を4つ発見した。 ニムルードにあったアッシリアの薄浮き彫りにはドーム建築が描かれたものがあるが、その古代都市のそのような構造物の名残は、日干しの泥煉瓦で作られていたために長期間残存しない性質があり、まだ存在が確認されていない。 真のドーム建築技術を使い泥煉瓦でドームを建築した例は、ハラフ文化(紀元前6100年から5400年ごろ)とウバイド文化(紀元前5300年から4000年ごろ)のメソポタミアの Tell Arpachiyah に見られた。ローマ時代にドームを記念碑的に建築するようになるまで、中東では貧しい人々の住居として小型の持ち送り積みのドームを普通に使っていたと見られている。 オマーンやポルトガルで、迫り出しアーチの技法で建造されたドーム型の建造物や蜂窩状墳墓 (Beehive tomb) が見つかっている。ただし、オマーンの構造物とヨーロッパの構造物の類似性は偶然と考えられている。オマーンの建造物は地上に建てられたもので、紀元前3千年ごろのものである。ミケーネの墳墓であるアトレウスの宝庫は、土で覆われたより大きなドーム建造物だが、紀元前1250年ごろのものである。 ネイティブ・アメリカンが造ったウィグワムは、木の枝をアーチ状に曲げて骨組みを作り、草や獣皮で覆ったものである。中央アフリカのピグミーも、マンゴーの葉を使って同様の小屋を造る。もう1つの例として、イヌイットなどが圧雪ブロックなどを使って造るイグルーがある。
※この「初期の原始的ドーム」の解説は、「ドーム」の解説の一部です。
「初期の原始的ドーム」を含む「ドーム」の記事については、「ドーム」の概要を参照ください。
- 初期の原始的ドームのページへのリンク