代替的手法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 06:33 UTC 版)
先に述べたように、検索表は特徴に順位をつけて扱う点に問題がある。これを避ける試みとして、特徴の一覧を作ってしまう方法がある。 たとえばある属の種を全部取り上げ、次に種の区別に使える特徴や形質を網羅的に取り出し、形質ごとにそれに当てはまる種をすべて上げてしまう。使う側では対象の標本に見られる計質を調べ、それぞれの形質ごとに候補種がわかる。複数の形質を調べて、それぞれの形質から選べる候補種のうちの共通するものが候補として絞られる。それが一つになればそれが本当の候補となる。 例えば先の水田の魚の例であれば、aフナ、bメダカ、cナマズ、dドジョウとすると、以下のような風である。 口のそばに髭がある:c, d 頭部はやや偏平である:b, c 体ははっきりと左右から偏平である:a 体表の鱗は明瞭:a, b …… この方法は形質に順位がないのでとにかく分かりやすい形質から順に当たって行けるし、その標本から得られない形質は無視できる。問題は、このような操作が人間の能力では手に余ることである。 しかし、これはカード型データベースにおける絞り込みのやり方そのものなので、ヒトの能力では扱いづらいが、コンピュータを利用する場合は有力である。今後はこの方向での活用も試みられるであろう。
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