他者論とは? わかりやすく解説

他者論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 05:55 UTC 版)

エマニュエル・レヴィナス」の記事における「他者論」の解説

人間は万物の尺度である」、「相対主義」、および「文化相対主義」も参照 現代哲学での「他者」とは、「私の主張否定してくるもの」「私の権利生存にまったく無関心なもの」「私の理解すり抜けるもの」などを意味し多義的抽象的な言葉である。言わば、自己私)思い通りにならない、よく分からない、「他人的な性質を持つもの」は、どれもまとめて「他者」名付けられる「他者」は「無限に続く『他者』の連鎖」を成しており、どのような言葉理屈述べても、それを否定する「他者」存在することだけは決し否定できない例え言動「x」が存在する場合、その言動丸ごと括弧」でくくって否定するような「他者」存在し得る。つまり「『x』は馬鹿だ」というような、「他者」による言動存在可能である。だが、その言動さえも丸ごと括弧」でくくり、「『『x』は馬鹿だ』は馬鹿だ」と否定する「他者」存在し得る。さらにその言動さえも否定する「他者」存在可能であり、このように「他者」は無限である。 哲学科学宗教はいずれも、世界何らかの形で記述して説明するが、それは言葉組み合わせであり、何らかの囲い文章)」を作っている。その囲い外側には、「囲い含まれないもの」「違うと否定するもの」が ―― つまり「他者」が ―― 存在している。 他者論という観点から見れば、「誰にも否定されない絶対的な真理」を作り出すことは不可能である。一方で「他者」は、単に真理への到達妨害する忌むべき存在というわけではなく、「私」自己完結孤独から救い出す、「無限の可能性」でもある。いかなる哲学科学数学作り出しても、必ずその外部から「違う」と叫び叩き潰してくる、理解不能残酷な「他者」現れる「他者」現れるからこそ自己自己完結して停滞することなく無限に問いかけ続けることができる。

※この「他者論」の解説は、「エマニュエル・レヴィナス」の解説の一部です。
「他者論」を含む「エマニュエル・レヴィナス」の記事については、「エマニュエル・レヴィナス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「他者論」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「他者論」の関連用語

他者論のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



他者論のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのエマニュエル・レヴィナス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS