乗員配置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 00:01 UTC 版)
「オーベルシュレージエン突撃戦車」の記事における「乗員配置」の解説
乗員配置は、車体前部に並列に並んだキューポラに右側の車長と左側の操縦手、旋回砲塔に砲手兼装填手、前後の機関銃に機銃手×2、の5名である。一応、これが定説である。ただ、高さが低くて見える距離と範囲が短く狭く、後方の確認ができない、視界の限られた車体前方の、操縦手の隣に車長を配するのは、戦場の状況や敵味方の視認という面で問題がある。この場合、全周視察は砲手の役目となる。 異説としては、乗員6名で、操縦手の隣は車長ではなく副操縦手であり、砲塔内は車長と砲手の2名となる。当時の大重量戦車であれば、操縦に複数の乗員が必要であった可能性はあるし(イギリスの菱形戦車も1人で操縦可能になったのはMk.V以降である)、砲塔の天面に備えられたキューポラも、中央後方=砲尾の後方に配置されており、これは後のIII号戦車やIV号戦車と同じ位置であり、ここに車長が配置される可能性は高い。 あるいは、砲塔の車長が砲手と装填手を兼任すれば、5名でも可能と考えられる。つまり、車体前部に並列に並んだキューポラに左側の操縦手と右側の副操縦手、旋回砲塔に車長兼砲手兼装填手、前後の機関銃に機銃手×2、の5名である。ただ、その場合、1人用にしては砲塔が大きすぎることと、砲手席と砲塔天面のキューポラの位置が離れているので、疑問はある。 あるいは、機銃手を減らせば、5名でも可能とも考えられる。つまり、車体前部に並列に並んだキューポラに左側の操縦手と右側の副操縦手、旋回砲塔に車長と砲手(装填手はどちらかが兼任)、前後の機関銃を兼任する機銃手(機関銃の不使用時に機銃手が砲の装填手を兼任する可能性も考えられる)、の5名である。複数の機関銃がある場合でも、その全てに機銃手を配置する必要は無く、敵がいる方向に配置された機関銃に機銃手が移動すれば済む話であり、自車の周囲を敵に囲まれて、全ての機関銃を多方向に同時に撃ちまくる状況もそうそうないと考えられる。仮にその必要がある場合でも(それはかなりの非常時であるが故に)、砲塔内の車長か砲手のどちらかが、もう一方の機銃手に回れば、済む話である。 あるいは、非常時でなくとも、オーベルシュレージエン突撃戦車の前後の限定旋回式銃塔の機関銃は、真横に指向できたので、船のように、左右舷側のどちらかに、2挺の重機関銃(と砲塔の戦車砲)の火力を集中する射撃法を行う可能性も考えられる。 5名での運用も不可能ではないが、視察の問題や、兼任や担当者不在が多くなるので、役割分担に余裕を持たせるなら、やはり6名が望ましいと考えられる。
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