主な候補者と派閥の動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 20:59 UTC 版)
「2020年自由民主党総裁選挙」の記事における「主な候補者と派閥の動き」の解説
安倍政権下での「ポスト安倍」への期待を問う世論調査では、安倍晋三首相への批判を繰り返す石破茂元幹事長がトップを走っており、これを警戒する安倍や安倍の盟友の麻生太郎副総理兼財務大臣(麻生派会長)は早くから岸田文雄政務調査会長(岸田派会長)への禅譲を模索していたことから、安倍が辞意を表明した8月28日時点ではこの2氏を軸に総裁選が争われる見通しであると報じられた。 しかし、岸田は4月には新型コロナウイルス対応の経済対策として、安倍とともに「減収世帯への30万円給付」を主導したが、二階俊博幹事長(二階派)や公明党幹部(及び公明党の支持母体である創価学会)らの反発を招いて「国民一律10万円給付」へと方針転換を余儀なくされるなどしたため、指導力を疑問視する声が党内で徐々に強まっており、麻生も「岸田は危機の時の総理じゃない」と周囲に漏らすようになっていた。一方、過去に岸田と幹事長ポストを争ったこともある二階は6月以降、菅義偉内閣官房長官に対し、「安倍さんの次はあんたしかない。総裁選に出たら応援する」と立候補を促していた。 8月29日、菅が森山裕国会対策委員長(石原派)に二階との会談を依頼し、菅、二階、森山と二階側近の林幹雄幹事長代理の4人で極秘に会談を行った。この中で二階は菅に立候補の意欲を確認し、激励した。30日午前には二階派が菅支援の方針を固め、菅が立候補するとの情報が瞬く間に広がり、無派閥や竹下派でも菅支援の動きが加速した。岸田は同日、安倍の出身派閥である細田派会長の細田博之元幹事長や麻生と相次いで会談して支援を要請。31日には首相官邸で安倍と会い、支援を求めた。しかし、安倍は不本意な退陣で当初描いていた岸田への禅譲がかなわなくなると、この時点で複数の関係者に「菅が望ましい」と本音を漏らしており、岸田に対しては「個別の名前を挙げるのは控えている」と述べ、岸田への後継指名を事実上行わなかった。麻生は消費税の軽減税率導入などを巡り菅と反目していたことや、岸田派と同じ宏池会系であることから岸田の支援を模索していたが、岸田が麻生と因縁のある古賀誠元幹事長を会合に招いたことや、安倍が後継指名しなかったことを踏まえ、31日に菅支持に切り替えた。細田派も同日、菅を支持し、9月1日には石原派も菅支持を正式決定。この時点で菅がリードする「1強2弱」の構図が確定した。
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