中射程誘導砲弾 (XM1111 MRM)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/20 05:04 UTC 版)
「MCS」の記事における「中射程誘導砲弾 (XM1111 MRM)」の解説
XM360からの発射を想定して開発が進められている中射程誘導砲弾 XM1111 MRM は徹甲弾型 MRM-KE と榴弾型 MRM-CEの2種類が開発中である。 共に有効射程は2 - 12kmであり、完全撃ちっぱなし (Fire and foreget) 式の砲弾は発射後、慣性による弾道飛行により目標上空に達した段階で搭載センサー(誘導弾では「シーカー」と呼ばれ、目標上空での誘導は「終末誘導」と呼ばれる。)が目標捜索を開始し、目標を探す。両タイプとも終末誘導には折りたたまれていた誘導フィンを展張して、空力制御によって誘導される。 主に対戦車用に使用される高速徹甲弾型のMRM-KEは、終末誘導にミリ波レーダー・シーカーとセミアクティブ・レーザー・シーカーを使い、目標を発見した後は搭載ロケット・モーターによって上空から加速し超音速の重金属製弾芯によって目標の装甲を貫く。 対戦車榴弾型のMRM-CEは、終末誘導に赤外線画像シーカーとセミアクティブ・レーザー・シーカーを使い、目標を発見した後はフィンによって誘導されながら上空から緩やかに落下して、目標物との接触時に爆薬によって目標の装甲を貫く。 共に2種類のセンサーを使うことで、妨害下や悪天候時でも、より確実に目標を捕らえる。 これらの誘導砲弾発射時にもMCSには目標が見える必要は無く、C4Iシステムには戦域ネットワークを通じて自動的に正確な座標が提供されるため、MCS乗員はただデジタル戦域地図上の目標を選択するだけで、FCS(射撃統制装置)はGPS/INSによる自座標から正しい方位と射角を計算し、環境センサーや砲身状態、車体傾斜、装薬温度等による誤差修正と共に、全ての必要な計算を完了する。発射弾種を選べば自動装填され砲が指向され、全ての準備が完了する。あとは発射するだけである。MCSは戦車であるが自走砲としての性格も持ち合わせている。
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