一般のコーシー点列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:18 UTC 版)
一般の距離空間 (X, d) 内の点列 (xn) についても、コーシー性を定義することができる。(xn) がコーシー列であることは、差のノルムの代わりに距離関数 d を用いることによって、つまり lim n , m → ∞ d ( x n , x m ) = 0 {\displaystyle \lim _{n,m\to \infty }d(x_{n},x_{m})=0} を満たすことであると定義することができる。したがって、ノルム線型空間特にバナッハ空間やヒルベルト空間など、物理学などにおいても重要な応用を持つ空間で、コーシー列を考えることができる。 また、距離空間ではない位相空間でも、同様の概念を考えることができる。特に位相群や位相線型空間のような一様構造を持つ位相代数系などでは、基本近傍系を考えることによってコーシー列を構成することができる。実際、位相群 G とその単位元 1 における基本近傍系 B を考えるとき、G 内の点列 (gn) は、各基本近傍 V ∈ B に対して lim n , m → ∞ g m g n − 1 ∈ V {\displaystyle \lim _{n,m\to \infty }g_{m}g_{n}^{-1}\in V} を満たすとき、コーシー列という。Rk を加法に関する位相群とみるとき、中心が原点であるような開球体の全体は、原点 0 の基本近傍系を成すので、Rk に関して、この定義と先の定義は本質的に同じものになる。
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