ランスロ=聖杯サイクル
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ランスロ=聖杯サイクル(Lancelot-Grail、散文のランスロ(Prose Lancelot)、流布本サイクル(Vulgate Cycle)、偽マップサイクル(Pseudo-Map Cycle)とも)はフランス語で書かれたアーサー王伝説の散文作品の一つ。5巻の散文からなり、聖杯探求の物語とランスロットとグィネヴィアのロマンスを伝える。大部は13世紀初期のものだが、著者に関しては確かなことはほとんどわかっていない。ウォルター・マップの作という説は否定されている。彼はこの作品が書かれる前に死んでいるからである。この物語群はトマス・マロリーが使用した『アーサー王の死』の最も重要な典拠の一つである。
- 1 ランスロ=聖杯サイクルとは
- 2 ランスロ=聖杯サイクルの概要
ランスロ=聖杯サイクル
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「サグラモール」の記事における「ランスロ=聖杯サイクル」の解説
ランスロ=聖杯サイクルでは、サグラモールはハンガリー王と東ローマ皇帝の娘の子で、コンスタンティノープルの帝位継承者とされる。サグラモールが若いうちに父が死に、母がブリテンのエスタンゴアのブランドゴリス(Brandegoris of Estangore)の誘いを受け、15のときに母子ともどもブリテンに渡る。ブリテンに着くとアーサー王のもとでサクソン人との戦いに従事し、王の甥ガウェインとその兄弟の助けを受けた。彼らは一緒にアーサー王の騎士叙勲を受けた。 ランスロ=聖杯サイクルのサグラモールは勇猛だが激しやすい騎士として描かれている。戦闘の際に逆上する点に、アイルランドの英雄クー・フーリンと類似性が見られる。ひとたび戦闘が終わると、サグラモールは病と空腹のため倒れてしまう。この様子がまるでてんかん病患者のように見えることから、サー・ケイは彼に「若き屍」(Morte Jeune)というあだ名を与えたという。ランスロ=聖杯サイクルにはサグラモールの冒険が数多く描かれており、乙女を救い出す場面で中心人物となることも多い。アーサー王の宮廷でグィネヴィアに育てられた女性との間に娘を一人もうける。また、彼の異父妹でブランドゴリスの娘である美しいクレア(Claire)は騎士ボールスと恋に落ち、同衾して白のエリアン(Elyan the White)を出産する。サグラモールはカムランの戦いで、モードレッドの手にかかって死ぬ。アーサー王の騎士の中でも戦いの最後まで生き残った騎士の一人だったという。
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