ユーイング式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:58 UTC 版)
1本のレールに車体が乗り、車体の片側に取り付けられた幅広の車輪で支持して転倒しないようにして走行する方式。19世紀後半(1868年頃?)にイギリス人発明家のチャールズ・ユーイング (Charles Ewing) により考案されたものと考えられている。ユーイング式は、線路に全重量の95%程度がかかるように設計されており、走行抵抗は通常の鉄道と大差ない程度におさえられている。レールを1本しか必要としないため敷設コストが節約できるほか、線路が占有する幅員が狭いために道路と同居しやすいという利点があった。案内は一本の軌条が行うが、全重量をその軌条が負担するわけではなく、厳密には案内軌条式鉄道に分類される。 本方式はイギリス人のウィリアム・サロルド (William Thorold) が具体化し、インドのパティアーラ州立鉄道 (PSMT) に導入された。PSMTは1910年に開通した路線で、馬力鉄道として開通したのちにオーレンシュタイン・ウント・コッペル社製造の蒸気機関車が導入され、全盛期は2路線で80kmの行程であった。 PSMTは道路の改良と自動車の出現によって1927年に廃止され、長らく存在が忘れられていたが、1962年に再発見された。後年に車輌は保管されてインドのニューデリー鉄道博物館で動態保存されている。
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