モールドボード・プラウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 06:10 UTC 版)
モールドボード・プラウは、ボトム・プラウ(Bottom plow)と呼ばれることもあるが、これらは同じ意味である。多連のプラウにおいて、ひとつひとつのプラウをボトム、それらが組み合わされた作業機全体をプラウと呼ぶことがある。 プラウの設計における大きな進歩は、カッティング・ブレードに補助され、モールドボードを持つプラウだった。 コールター、あるいはナイフがシェア(またはフロッグ)のすぐ前の地面を垂直に切断する役割を持ち、フレームに支えられたランドサイドとモールドボードの前面及び下面がなすクサビ型は地面の中で作用する部分である。前方から馬などの牽引力を伝える上部のフレームには、コールター、及びランドサイドのフレームが取り付けられている。それぞれのプラウのサイズと、一度に何列の耕起を行うように設計されているかによって、ひとつか、またはそれ以上の車輪によってフレームが支えられている。1連のプラウの場合には、農夫がその進行方向を操作できるように、前方にひとつの車輪と、後方にハンドルが備えられている。 まず、コールタが圃場を引きずられながら土壌を垂直に切断し、その垂直に切断した後をシェアが続いて水平に切断する。この四角く切断された土壌は、シェアによって持ち上げられてからモールドボードに運ばれてさらに押し上げられる。プラウが前進する間、土壌は連続して切断され持ち上げ続けて、先に通った時に出来た溝に上下がひっくりかえるような形で放出される。土壌が持ち上げられ(通常は右に)動かされた後に出来た地面の溝は、れき溝と呼ばれる。持ち上げられたれき土は、前の工程で作られたれき条に約45度の角度でもたれかかるように乗せられる。 このように、連続して耕起を進めると、れき土の一部はれき溝に落ち、一部は既に耕起されたれき条に被せられる。この列を目で見てみると、進行方向の左側にはまだ耕起されていない圃場が広がり、れき溝(動かしたれき条のおよそ半分の幅)、今しがた反転したれき条が前に反転されたれき条におよそ半分程被るようにもたれかかり、そして更にその向こうの圃場が見える。それぞれの土の列と溝は古いしわを連想させる。 モールドボード・プラウは、圃場の準備にかかる時間を大幅に短縮し、結果として農家はより広い範囲で耕作することが可能となった。さらに、耕起された土壌が作るれき底(モールドボードの下)と高い畝の形状は水路を形成し、土壌の乾燥を促進する。積雪が問題になる地域では、雪解け水が迅速に排水され、より早く播種作業にとりかかることが出来る。 モールドボード・プラウ:5つの主要な部品 モールドボード(Mouldboard,撥土板) シェア(Share,刃板) ランドサイド(Landside,地側板) フロッグ(Frog,結合板) ヒール(Tailpiece,踵) 耕起された れき部 の名称 番号は右図の挿絵の図番と対応する 耕起前の圃場 丘 れき条 ナイフ、またはコールタが切断する面 シェアが切断する面 れき溝壁 れき底 れき溝 シェアからプラウの後部に広がるランナーは、プラウの方向を制御する。なぜならそれは、ランドサイドの下の角を支持して新しいれき溝を形成する為で、それが押さえ付けられる力はれき土の重量や、モールドボードの曲面に沿って持ち上げ反転させられる土の力に匹敵する。 このランナーがあるために、モールドボードプラウはスクラッチ・プラウよりも方向を変え難い。そのため、ほとんどの正方形の圃場が、より長い長方形の圃場(ストライプ(strips)と呼ばれる)へと形の変化を引き起こした。そしてハロンという距離の単位へと続く。 基本的な設計の進歩はプラウ・シェアで、モールドボード先端の水平の切断面が交換可能となった。
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