モード同期
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光学において、モード同期(モードどうき、英: Mode locking)とは、ピコ秒(10−12 s)からフェムト秒(10−15 s)程度の極短パルスレーザーを発生させる技術である。例えば屈折矯正手術などの分野でフェムト秒レーザーと呼ばれているレーザーはこの技術を利用している。この技術の基本は、レーザー共振器の縦モード同士の間に一定の位相関係を誘導することであり、これによりモード間の強め合う干渉を局所的に起こさせ、レーザーパルス列を生じさせる。このようなレーザーは「位相同期」されている、または「モード同期」されていると表現される。
- ^ Mayer, B., et al. "Long-term mutual phase locking of picosecond pulse pairs generated by a semiconductor nanowire laser". Nature Communications 8 (2017): 15521.
- ^ R. Huber, M. Wojtkowski, J. G. Fujimoto, "Fourier Domain Mode Locking (FDML): A new laser operating regime and applications for optical coherence tomography", Opt. Express 14, 3225–3237 (2006).
- ^ “Ultra-Intense Laser Blast Creates True 'Black Metal'”. 2007年11月21日閲覧。
モード同期
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「パルスレーザー (光学)」の記事における「モード同期」の解説
詳細は「モード同期」を参照 モード同期レーザー(Mode-locked laser)では、数ピコ秒から、10フェムト秒以下の極度に短い幅のレーザーパルスを発振させることの出来る。これらのパルスはラウンドトリップにかかる時間で繰り返される。ラウンドトリップにかかる時間とは光パルスが光共振器を構成する二つの鏡の間をちょうど1周して元の位置に戻ってくるのにかかる時間である。フーリエ限界(もしくは、エネルギーと時間の間の不確定性原理としても知られている)によって、ここまで短い時間幅のパルスはかなり広い帯域を持つ事になる。したがって、モード同期レーザーに使われるレーザー媒質はそれらの広い帯域全ての光を増幅できるように、十分に広い波長帯域で利得を有する必要がある。モード同期に適するレーザー媒質の例としては、チタンをドープしたサファイアの人工結晶(チタンサファイアレーザー)が挙げられる。この媒質は、非常に広い波長帯域での利得を持ち、数フェムト秒程度の非常に短い幅のパルスを生成することが可能となる。 このようなモード同期レーザーは幅広い分野に有用である。例えば、パルス幅が極度に短い事を生かして、非常に短い時間スケールの物理現象(フェムト秒物理や、フェムト秒化学や、超高速科学)を研究するのに使うことが出来る。また、ピークパワーが非常に高いため、非線形な光学現象(例えば、第二次高調波発生、光パラメトリック下方変換、光パラメトリック発振など)を最大化する事ができるため、この用途にも有効である。また、アブレーション用途にも有用である事が知られている。[要出典]
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