ホモロジー (数学)
(ホモロジー群 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/27 04:21 UTC 版)
数学、とくに代数的位相幾何学や抽象代数学において、ホモロジー (homology) は与えられた数学的対象、例えば位相空間や群に、アーベル群や加群の列を対応させる一つの一般的な手続きをいう。ホモロジーの名は「同一である」ことを意味するギリシャ語のホモス (ὁμός) に由来する。より詳しい背景については ホモロジー論 を見られたい。また、ホモロジーの手法の位相空間に対する具体的な適用については特異ホモロジーを、群についてのそれは群コホモロジーを、それぞれ参照されたい。
注釈
- ^ MacLane (1978, p. 12) では A. D. Alexandroffと書かれているが、ただしくはパヴェル・アレクサンドロフと思われる。
出典
- ^ Riemann 1851.
- ^ a b Weil 1979, p. 95.
- ^ 小松醇郎『位相数学』弘文堂、1942年、10-14頁。NDLJP:1063394。
- ^ Riemann 1857.
- ^ a b Weibel 1999, p. 2.
- ^ Stillwell 2009, p. 7.
- ^ Stillwell 2009, p. 61.
- ^ Riemann 1857, p. 4.
- ^ Hilton 1988, p. 284
- ^ たとえばフランス語文献 L'emergence de la notion de group d'homologie, Nicolas Basbois (PDF), の Note 40 においては、ホモロジー群の発明者として実際にネーターの名が挙げられている。
- ^ a b c MacLane 1978, p. 12.
- ^ Weibel 1999, pp. 1.
- ^ Weibel 1999, pp. 5.
- ^ MacLane 1976, p. 5.
- ^ Noether, Emmy (1926). “Ableitung der Elementarteilertheorie aus der Gruppentheorie”. Jahresbericht der Deutschen Mathematiker-Vereinigung 34: 104 .
- ^ P.アレクサンドロフ 著、静間良次 訳『位相幾何学の基礎概念』大雅堂、1946年、43頁。NDLJP:1063369。 Betti群という呼び方をしている。
- ^ Hirzebruch, Friedrich, "Emmy Noether and Topology" in Teicher 1999, p. 61?63.
- ^ Bourbaki and Algebraic Topology by John McCleary (PDF) に時代考証がある(フランス語の原版から英語への翻訳)。
- 1 ホモロジー (数学)とは
- 2 ホモロジー (数学)の概要
- 3 ホモロジー関手
- 4 性質
- 5 歴史
- 6 関連項目
ホモロジー群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 01:14 UTC 版)
Sのk次ホモロジー群Hkをアーベル群の商群(剰余群)として定義する。 H k ( S ) = Z k / B k . {\displaystyle H_{k}(S)=Z_{k}/B_{k}\,.} したがって、ホモロジー群Hk(S)が0にならないのは、境界ではないk-サイクルがS上にある場合に限ることとなる。境界ではないk-サイクルは、k次元の穴に相当するので、ある意味で、単体的複体にk次元の穴の存在を意味する。たとえば、図に示されているように、内部のない2つの三角形が1辺で張り合わさっている単体的複体Sについて考える。各三角形のエッジは、サイクルを形成するように方向付けることができる。この単体的複体の作り方から言って、これらの2つのサイクルは境界ではない(すべての2チェーンがゼロであるため)。ホモロジー群H1(S)は、前記2サイクルを基底とするZ2と準同型であることを計算することができる。これにより、Sには2つの「1次元の穴」があるという曖昧な考えを数学的に正確に述べることができる。 穴の次元はさまざまである。 k次ホモロジー群のランクは β k = rank ( H k ( S ) ) {\displaystyle \beta _{k}=\operatorname {rank} (H_{k}(S))\,} という数であり、Sのk次ベッチ数と呼ばれる。これによりSのk次元の穴の数の測ることができるようになる。
※この「ホモロジー群」の解説は、「単体的ホモロジー」の解説の一部です。
「ホモロジー群」を含む「単体的ホモロジー」の記事については、「単体的ホモロジー」の概要を参照ください。
- ホモロジー群のページへのリンク