バール形式
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バール形式(バールけいしき)は、中世ドイツで使われた楽曲形式(独語Barform)。「バール」は中世ドイツ語で簡単な歌唱形式のことである。基本的に2つの要素しかなくA(前節)-A(前節繰り返し)-B(後節)の三部で成立する。中世ヨーロッパの吟遊詩人の歌唱に起源がみられ、音楽に形式を求める上で記録が残っている中では最古に近いもの。
- ^ Lexikon des Mittelalters. Bd. I. München/Zürich: Artemis 1980 (ISBN 3-7608-8901-8), Sp. 1426-1427. - Lexikon des Mittelalters. Bd. VI. München/Zürich: Artemis & Winkler1989 (ISBN 3-7608-8906-9), Sp. 486-488.
- ^ Jacob und Wilhelm Grimm: Deutsches Wörterbuch. Band I. Leipzig (S. Hirzel) 1854. = Nachdruck Band 1. München (Deutscher Taschenbuch Verlag) 1984 (ISBN 3-423-05945-1). Sp. 1121.
- 1 バール形式とは
- 2 バール形式の概要
- 3 関連項目
バール形式
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マイスタージンガーの詩型は「バール形式」による。バール(bar)は、A-A-Bの3部構成が基本となる。複数行からなる「詩節(strophe)」Aをシュトレン(stollen)と呼び、シュトレンを二つ並べることにより行数、韻律、押韻パターンとも同型のA-Aを「アウフゲザング(Aufgesang)」と呼ぶ。詩節Bは、それまでとは異なる形で「アプゲザング(Abgesang)」と呼ぶ。歌全体は、バール(A-A-B)の3連、ときには5 - 7連で構成する。 また、ゲゼッツ(Gesätz)は、詩節のまとまりのことである。なお、アウフゲザングを指してゲゼッツとする場合もあり、ニュルンベルクのタブラトゥーアでは、A-A-B構成によるバールをゲゼッツとし、詩全体をバールと称するなど、この語の用法に関しては曖昧さが見られる。 シュトレン(A)とアプゲザング(B)の行数規定については諸説あって一致しない。ただし、ニュルンベルクのタブラトゥーアには明文規定がないものの、6行以下は「過小の調べ(Über-kürzter Ton)」、全体で100行を超える詩は「過大の調べ(Über-langer Ton)」として認められなかった。
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