ハンセン–ジャガナサン境界とは? わかりやすく解説

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ハンセン–ジャガナサン境界

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/04 01:10 UTC 版)

ハンセン–ジャガナサン境界(ハンセン–ジャガナサンきょうかい、: Hansen–Jagannathan bound)とは、金融経済学マクロ経済学において金融資産の資産価格モデルにおける確率的割引ファクター: stochastic discount factor)の分散の下限を決定する理論である。1991年ラース・ハンセンラビ・ジャガナサン英語版により発表された[1]。一般的な資産価格モデルのほとんどに適用可能なため、資産価格モデルの妥当性を確かめるために用いられる。




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ハンセン–ジャガナサン境界

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 16:53 UTC 版)

エクイティプレミアムパズル」の記事における「ハンセン–ジャガナサン境界」の解説

詳細は「ハンセン–ジャガナサン境界」を参照 ラース・ハンセンとラビ・ジャガナサン(英語版)は資産価格モデル妥当性判定するための一つ基準提案した。これをハンセン–ジャガナサン境界(英: Hansen–Jagannathan boundと言う。ハンセン–ジャガナサン境界を使えば異なる形でエクイティプレミアムパズル表現することが出来る。 数式による説明において、株式ゼロ・クーポン債価格p e , t = E t [ β u ′ ( c t + 1 ) u ′ ( c t ) ( p e , t + 1 + d e , t + 1 ) ] {\displaystyle p_{e,t}=E_{t}\left[\beta {\frac {u^{\prime }(c_{t+1})}{u^{\prime }(c_{t})}}{\Big (}p_{e,t+1}+d_{e,t+1}{\Big )}\right]} p b , t = E t [ β u ′ ( c t + 1 ) u ′ ( c t ) p b , t + 1 ] {\displaystyle p_{b,t}=E_{t}\left[\beta {\frac {u^{\prime }(c_{t+1})}{u^{\prime }(c_{t})}}p_{b,t+1}\right]} で決定する事は述べた。ここで確率的割引ファクター(英: stochastic discount factorm t + 1 = β u ′ ( c t + 1 ) u ′ ( c t ) {\displaystyle m_{t+1}=\beta {\frac {u^{\prime }(c_{t+1})}{u^{\prime }(c_{t})}}} を定義し上の2式をグロスリターンで表示する1 = E t [ m t + 1 R e , t + 1 ] {\displaystyle 1=E_{t}\left[m_{t+1}R_{e,t+1}\right]} 1 = E t [ m t + 1 ] R f , t + 1 {\displaystyle 1=E_{t}\left[m_{t+1}\right]R_{f,t+1}} となる。第1式を変形する1 = E t [ m t + 1 R e , t + 1 ] = E t [ m t + 1 ] E t [ R e , t + 1 ] + C o v t ( m t + 1 , R e , t + 1 ) {\displaystyle 1=E_{t}\left[m_{t+1}R_{e,t+1}\right]=E_{t}\left[m_{t+1}\right]E_{t}\left[R_{e,t+1}\right]+\mathrm {Cov} _{t}(m_{t+1},R_{e,t+1})} = E t [ m t + 1 ] E t [ R e , t + 1 ] + V a r t ( m t + 1 ) V a r t ( R e , t + 1 ) C o r r t ( m t + 1 , R e , t + 1 ) {\displaystyle =E_{t}\left[m_{t+1}\right]E_{t}\left[R_{e,t+1}\right]+{\sqrt {\mathrm {Var} _{t}(m_{t+1})}}{\sqrt {\mathrm {Var} _{t}(R_{e,t+1})}}\mathrm {Corr} _{t}(m_{t+1},R_{e,t+1})} となる。ここで C o r r t ( m t + 1 , R e , t + 1 ) {\displaystyle \mathrm {Corr} _{t}(m_{t+1},R_{e,t+1})} は m t + 1 {\displaystyle m_{t+1}} と R e , t + 1 {\displaystyle R_{e,t+1}} の相関係数である。すると相関係数が-1以上1以下であることに注意すれば | E t [ R e , t + 1 ] − R f , t + 1 V a r t ( R e , t + 1 ) | = | C o r r t ( m t + 1 , R e , t + 1 ) | V a r t ( m t + 1 ) E t [ m t + 1 ] ≤ V a r t ( m t + 1 ) E t [ m t + 1 ] {\displaystyle {\Big |}{\frac {E_{t}\left[R_{e,t+1}\right]-R_{f,t+1}}{\sqrt {\mathrm {Var} _{t}(R_{e,t+1})}}}{\Big |}=|\mathrm {Corr} _{t}(m_{t+1},R_{e,t+1})|{\frac {\sqrt {\mathrm {Var} _{t}(m_{t+1})}}{E_{t}\left[m_{t+1}\right]}}\leq {\frac {\sqrt {\mathrm {Var} _{t}(m_{t+1})}}{E_{t}\left[m_{t+1}\right]}}} となる。この不等式をハンセン–ジャガナサン境界と呼ぶ。 最左辺株式シャープ・レシオ絶対値なので実際のデータから計算可能である。最右辺CRRA効用関数仮定すれば m t + 1 = β ( c t + 1 c t ) − γ {\displaystyle m_{t+1}=\beta \left({\frac {c_{t+1}}{c_{t}}}\right)^{-\gamma }} なので効用主観的割引率 β {\displaystyle \beta } と相対的リスク回避度 γ {\displaystyle \gamma } が分かれば消費データから最右辺計算可能である。しかしながら、妥当な主観的割引率相対的リスク回避度仮定した場合米国株式インデックスシャープ・レシオが0.37であるのに比べE t [ m t + 1 ] = 0.96 , V a r t ( m t + 1 ) = 0.002 {\displaystyle E_{t}[m_{t+1}]=0.96,{\sqrt {\mathrm {Var} _{t}(m_{t+1})}}=0.002} となるため、上述不等式明らかに満たされないことが分かる。この不等式成立するためには確率的割引ファクター分散が非常に大きくなければならない。 ハンセン–ジャガナサン境界はこの例における時間について加法分離的CRRA効用関数限らず一般的な資産価格モデルのほぼすべてに適用可能である。

※この「ハンセン–ジャガナサン境界」の解説は、「エクイティプレミアムパズル」の解説の一部です。
「ハンセン–ジャガナサン境界」を含む「エクイティプレミアムパズル」の記事については、「エクイティプレミアムパズル」の概要を参照ください。

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