ハイオクガソリン混合問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 17:26 UTC 版)
「高オクタン価ガソリン」の記事における「ハイオクガソリン混合問題」の解説
各元売り系列ごとに「独自開発」を謳い、独自性能を宣伝して販売してきたハイオクガソリンが、実は約20年にわたり混合されて販売されてきた問題が2020年(令和2年)に報道された。同時期の石油輸入の自由化をきっかけに、レギュラーガソリン等ハイオクガソリン以外の燃料については、公正取引委員会の調査でタンクの共同利用や、自社の製油所や貯油設備のない地域で他社の製品を買い取って自社製品として販売する取引があると各社より説明されていたが、ハイオクガソリンについてはその中でも独自の供給体制を維持しているとされてきた。同年2月に元売りがスタンドに対して他社と同一のタンクを利用していると回答した文書にて明らかになったとしている。出光興産はシェルブランドで扱う「Shell V-Power」については、他社と混合出荷されていないと回答し否定した。 毎日新聞は2020年6月27日、元売各社が2000年頃から貯蔵タンクの共同利用の関係で出荷前から混合されていることが判明したと報道。油槽所の共同利用や共同配送、自社の油槽所のない地域で他社製品を買い取って自社製として販売する「バーター取引」を行ってきたことが判明した。 毎日新聞は同年6月29日、菅義偉内閣官房長官は「問題あれば調査し対応」と表明したと報道。翌6月30日には梶山弘志経済産業省長官が「消費者の誤解招かぬ対応を」と要請したと報道した。 毎日新聞は2020年7月17日、石油元売り各社などで作る業界団体である石油連盟会長の杉森務(ENEOSホールディングスの代表取締役でもある)は、レギュラーガソリンと同じくハイオクも各元売り系列で品質に差がない「汎用品」であると認めたと報じ。その上でハイオク混合出荷問題については「消費者の裏切りにはならない」と述べたと報道した。 毎日新聞は2020年8月2日、ENEOSが5年間「国内で唯一」と宣伝してきたハイオク「ヴィーゴ」を他社にも供給していたと報道した。 毎日新聞は、このハイオク混合問題についてはNPOが消費者庁に再発防止措置を要請したと報道した。 石油元売り各社は、他社製と混合したハイオクガソリンをSSに出荷していた一方で、特約店に対しては他社製ガソリンとの混合販売を禁じてきた。この行為は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に抵触すると公正取引委員会は警告している。 内外出版社のバイク雑誌『ヤングマシン』の姉妹誌『NSR専門誌 PRO SPEC』Vol.2(2019年5月)誌上で、ENEOS、コスモ石油、昭和シェル、出光の4社のハイオクガソリンをホンダ・NSR250Rに入れてパワー測定するという記事が掲載され、実際に各社でほとんど差がないという評価結果が出ていた。毎日新聞の報道を受け、内外出版社では同記事を「ヤングマシンWEB」に再掲している。
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