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ホンダ・NSR250R

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/14 15:28 UTC 版)

ホンダ・NSR250R
NSR250R SP (MC28) レプソルカラー
Nsr250sp.jpg
排気量クラス 軽二輪
製造期間 1986年 - 1999年
車体型式 MC28
タイプ レーサーレプリカ
フレーム ダイヤモンド
エンジン MC16E型 249cc
最高出力 40ps/9,000rpm
最大トルク 3.3kgm/8,500rpm
燃料供給装置 キャブレター (TB10)
変速機 常時噛合式6段リターン
駆動方式 チェーンドライブ
サスペンション
: テレスコピック式
: スイングアーム式'86~'93
片持ちスイングアーム'94~'99 (プロアーム)
ブレーキ
前: 油圧式ダブルディスク
後: 油圧式ディスク
全長x全幅x全高 1970mm x 650mm x 1045mm
シート高 770mm
ホイールベース 1340mm
乗車定員 2人
燃料タンク容量 16L
備考 スペックはNSR250R SP (MC28)、1996年モデルのもの
先代 ホンダ・NS250R
同クラスの車 ヤマハ・TZR250R
スズキ・RGV250Γ
アプリリア・RS250
●Template●       ●WikiProject●

NSR250R(エヌエスアールにひゃくごじゅうアール)は本田技研工業レーサーレプリカタイプの2ストロークオートバイである。車名のNSRはNew Sprinter Revolutionの略である[要出典]。競技車両であるワークスレーサーNSR500のレプリカで、市販車のNSRシリーズの中ではフラッグシップモデルになる。

目次

概要

ホンダの2ストロークのオートバイは、WGPNS500が1983年にチャンピオンを得るなど、レース部門では成功を収めたものの、市販車部門ではヤマハRZに大きく水をあけられていた。RZに対抗して4ストロークのVT250Fを投入するが、RZにはおよばず、間髪入れずMVX250Fを投入するもこれも失敗作で終わる。1984年にNS250F/Rを発売するが爆発的ヒットとはならなかった。ヤマハはその間、TZR250を発売させホンダとのリードを広げる。それに対抗すべく1986年にNSR250Rを投入する。抜群の速さを誇るNSRは発売当初から大ヒットする。初代モデルより、ヤマハTZR250RスズキRGV250Γとの三つ巴による熾烈な2ストローク技術開発競争が繰り広げられ、1987年から1990年の間は毎年モデルチェンジが行われた。NSRのヒットにより、2ストバイク市場のトップを奪うことになった。NSRは型式で大きくMC16、MC18、MC21、MC28の4種類に分けられる。なお、歴代モデルすべて一貫して始動方法はキックスターターのみを採用し、セルスターターは装備されていなかった。

歴史

MC16(初代)

1986年NS250Rのフルモデルチェンジ車として登場した[1]。新設計の“目の字”断面をもつアルミニウム製ツイン・スパーフレームに、クランクケースリードバルブの水冷2ストローク90°V型2気筒エンジンを搭載し、競技専用車RS250Rをそのまま公道用にスケールダウンしたようなレーシーな姿をまとっていた。エンジンのクランクケースなど、一部部品には「HONDA RACING」の刻印が入り、競技用車両とパーツの設計を一にしている点も注目された。

MC18(2代目)

1988年モデルカスタム車
1989年モデルカスタム車

2代目のモデルは1987年11月に登場した[2]。なお、この1988年モデル[3]は市販レーサーのRS250と同時開発された[要出典]。このモデルは約2年間販売され、1989年式は1989年2月に発売された[4]。このモデルからテールランプの意匠が丸目2灯となった。

1988年式には、当時のHRCカラーである紅白の通称「赤テラ」と、青白の通称「テラカラー」と呼ばれるカラーリングが施されている。1989ではさらに黒地に銀の通称「シードカラー」が追加された。

1989年式では、エンジンの出力特性を制御するコンピューターがPGM-II(PGMとはprogramedの略)へ、キャブレターがPGMキャブレターIIへ進化するなどし、最高出力45psと'88NSRと変わらないものの、前年式よりも幾分マイルドな出力特性が与えられた。この年はFIMのレース規則が変更され、カウル前端をフロントタイヤの中心線よりも前方まで伸ばすことができるようになったが、公道モデルのNSRもそれにあわせて形状が変更された。

また、MC18からは上位グレードとしてSP(Sports Production)が限定リリースされた。これらはマグネシウムホイールと乾式多板クラッチ('89)が装備され、'88NSR SPには、ロードレース世界選手権 (WGP) GP500クラスで活躍するワークスチーム、ロスマンズ・ホンダレーシングのNSR500と同じ「ロスマンズカラー」の、'89NSR SPには、WGP GP250クラスで活躍するワークスチーム、味の素・ホンダレーシングの清水選手の「味の素テラカラー」通称「銀テラ」[5][6]の専用カラーが、それぞれ用意された。

MC18にはSPグレードとは別に、コンペティションモデルとして限られた台数のみ生産され、コンプリートマシンとしてHRCより発売された「NSR250RK」が存在する。これはNSR-SPをベースに、専用の補強入りフレームや専用の車高調整機構付きサスペンション、多数の変更が加えられたエンジンや電装を装備したTT-F3専用車両であり、SPとはまったくの別物と言ってよい。エンジン部品で専用なのはクランクケースのみだが、純正と同じ金型から生み出されながら、ほぼ全ての部品が同年式の競技専用車であるRS250の部品と見まがうばかりに加工されたものであり、その動力性能はRS250に肉薄するほどである。その価格差から細部のクオリティは見劣りするものの、そうして世に送り出されたRK達はサーキットを席巻し、GP250クラスと互角に近いタイムを叩き出し、4ストローク400ccの車両を打ちのめし続けた。 惜しむらくはRKが生み出されたわずか数年後にTT-F3クラスが廃止されてしまったことである。

なお、この車両はスリックタイヤ対応のためホイールサイズもRS250と同等に変更されている(Frは可能だがRrに互換性はない)。専用キャブレターボックスと専用ダクトを装備し、PGMキャブレターは装備されてない。ACGは専用品の軽量ローターを使用するため公道用NSRと互換はない。

MC21(3代目)

MC21-SP仕様カスタム車

1990年2月登場の3代目モデルは大きな外観デザイン変更を受けた[7]。アッパーカウル形状はスラントノーズで、小さく特徴的だったヘッドライトはスマートな薄型幅広形状の2灯ハロゲンヘッドライトに変更された。リアシートカウルは上方へ跳ね上がり、クラウチングスタイルとなる。

もっとも大きな外観上の変更点は、スイングアームへの“ガルアーム”の採用である。「ガルアーム」とは、V型2気筒エンジンの後方シリンダーから延びる排気用チャンバー形状の高効率化を目的として、右側スイングアームと前方シリンダーの排気チャンバーが干渉しないよう、スイングアームを「への字」に屈曲させたもの。ホンダワークスレーサーでは'89年のNSR500から採用された技術である。

また、エンジンはシリンダー、シリンダーヘッド、クランクケース、クランクシャフト等の主要部品が新設計され、出力特性を制御するコンピューターもPGM-IIIに進化し、扱いやすさを兼ね備えた出力特性が与えられた。

このMC21では1990年4月にSPが発売[8]され、1991年5月にSPとSTDモデルの中間に位置するSEが発売[9]された。1992年1月にMC21後期型とSE、SPが発売[10]

また、MC21はジムカーナライダーの中でも特に戦闘力の高い車両とされており、大会になると上位陣の大半(現在はかなり減ったが、それでもまだ多い)がNSR250Rで占められるなど猛威を振るっている。

なお、MC21までが45馬力、MC28はオートバイメーカー4社の自主規制により40馬力になっている。

グレード

  • STD(スタンダード仕様)
  • SE(SPベースだが一般公道向きのSTDと同じミッションで乾式多板クラッチや前後サスペンションに減衰力調整機構を装備)
  • SP(前後マグネシウムホイールを装備。ロスマンズやHRCなどのワークスカラーを採用)

MC28(4代目)最終型

MC28-SP仕様カスタム車その1
MC28-SP仕様カスタム車その2

1993年に登場したモデル[11]で、NSR250Rとしては最終モデルになる。外観上最大の変更点は、MC21で採用された「ガルアーム」が片持式スイングアームである「プロアーム」になった点ではあるが、これは耐久レーサーRVFからのフィードバックである(WGPマシンはアームの向きが逆でチェーンラインも逆になる)。エンジンマネージメントシステムはPGM-IVに進化。ハンドルロックの解除やエンジンを始動する際に使用するキーは、PGMメモリーカードと呼ばれるカードキーとなり、通常の公道用PGMメモリカードの他に、競技専用のPGMメモリカードを使用することでエンジンの特性を簡単に変更することができた。またこのモデルからヘッドライトが常時点灯型となった。

主な新機能

  • 片持ち式リンク式スイングアーム、プロアームの採用。
  • 2輪車初のカードキー(PGMメモリーカード)採用。
  • 液晶デジタル表示のスピードメーターに変更。
  • ハザードランプスイッチ装備。
  • ポジションランプ内蔵型ウインカーを採用。

グレード

  • STD(スタンダード仕様)
  • SE(乾式多板クラッチや前後サスペンションに減衰力調整機構を装備。)
  • SP(SEをベースに、マグテックホイール(エンケイ製のマグネシウム合金を使用した廉価な軽量ホイール)・フロントサスペンションは、路面追従性に優れたニュー・カートリッジタイプを装備(工具なしで減衰調整可能)ロスマンズやHRC[12]レプソルホンダ[13]などのワークスカラーを採用)

1990年代後半、日本国内において関心が高まっていた排ガス規制問題(特に都市部における)に対しホンダは、「今後の市販車は50ccのスクーターからスポーツモデルまで、2ストロークエンジンでは自動車排出ガス規制の新基準に適合しないため、一部の競技専用車を除き、全てクリーンな4ストロークエンジンPGM-FIを採用していく」という方針を固め、NSR250Rも日本国内では1999年を最後に販売が終了した。なお、最終的にSEグレードのみが販売され、輸出車は存在せず日本国内モデルとして1980年代、1990年代初期に旋風を巻き起こしたNSR250Rの歴史に幕を降ろすこととなる。

2011年現在、2ストロークのレーサーレプリカは新車のラインナップとして存在しないため、希少価値や愛好家からの局所的人気により、NSRに限らず中古車市場では新車時の価格を上回る高い値段で取引されることもある。状態の良いものになると、車両価格が現行1000ccクラスと同等となる車両まで存在する。




  1. ^ 水冷2サイクルV型2気筒エンジン搭載のスーパースポーツバイク「ホンダ・NSR250R」を発売
  2. ^ 最新技術を随所に採用した2サイクル・スーパースポーツバイク新型「ホンダ・NSR250R」を発売
  3. ^ 世界初、マグネシウム製ホイールを標準装備した2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダNSR250R SP」を発売
  4. ^ 2サイクル・90度Vツインエンジン搭載のスーパースポーツバイク「ホンダNSR250R」のスタイルや機能を充実させ発売
  5. ^ 軽量のマグネシウム製ホイールや高効率の乾式多板クラッチを標準装備した2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダNSR250 SP」を発売
  6. ^ NSR250R 1989.1 FACTBOOK
  7. ^ 軽快で高い運動性能を発揮する2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダ NSR250R」を発売
  8. ^ マグネシウム製ホイールや乾式多板クラッチを標準装備した2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダNSR250R SP」を発売
  9. ^ 軽快で高い運動性能を発揮する2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダ NSR250R/NSR250R・SE/NSR250R SP」のカラーリングを一新し発売
  10. ^ 軽快で高い運動性能を発揮する2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダ NSR250R SP/フラッシュカラー・スペシャル」を限定発売
  11. ^ 世界初のPGMメモリーカード・システムを採用した2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダNSR250R」3タイプを発売
  12. ^ 軽快で高い運動性能を発揮する2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダ NSR250R SP」のカラーリングを一新し発売
  13. ^ 軽快で高い運動性能を発揮する2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダ NSR250R SP」のカラーリングを一新し発売


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