ナスターレース
歴史と沿革
Nastarは米国生まれのアルペン競技です。日本には1981年より導入され「ナスターレース」としてゲレンデスキーヤーにもアルペン競技に親しんでもらえるよう、各地のスキー場にコイン式タイム計測器を設置するとともに普及していきました。
現在では、ポイントを算出するシステムを大会に活かし、小・中学生が多く参加する大会を中心に、全国の60余レース(1シーズン参加総数約10,000人)でナスターレースポイントが導入されています。また、ナスターレース協会主催の大会では、海外で行われる国際スキー連盟(FIS)に認定された国際大会、FISチルドレンレースに派遣する選手が選抜されます。
競技方法
ナスターレースとはナショナルスタンダードレース(National Standard Race)を略した言葉です。通常、スキーのアルペン競技大会はタイムで順位を競いますが、競技が行われるコースの長さ、斜度、旗門数などが会場によって異なるため、同じ大会以外のタイムを比べることができません。
ナスターレースは基準となる選手(ナショナルペースセッター)を一人定め、その選手が該当大会で滑走した場合の仮想タイムと、大会参加選手のタイム差を「ナスターレースポイント」として算出します(ナショナルペースセッターは、全日本アルペンナショナルチームの現役選手が務めます)。つまり、標準(National Standard)により、環境が異なる大会であってもポイントで比べることができるのです。
日程や地域が異なっても基準となる選手は一人。遠く離れた地域で大会に参加している選手のポイントと自分のポイントを比べるなど、タイムや他者の視覚によるイメージではなく「ポイント」によって上達の度合いを自覚できるので、目標設定などにも役立てることができます。
ポイントの算出
ポイントはタイム差を%で表したものになります。例年12月下旬~1月上旬に行われるペースセッティングトライアルで、ナショナルペースセッターと各地のペースセッターがトライアルを行い、各地のペースセッターのオフィシャルポイントが算出されます。
ペースセッターはシーズン中に行われる地元大会で前走し、ナショナルペースセッターが滑走した場合のパータイム(仮想タイム)を逆算します。パータイムと大会参加者のタイムで、大会参加者のナスターレースポイントが算出されます。
計算式についてはナスターレース協会公式Webサイトをご覧ください。
種目とルール
現在はアルペン競技の大回転種目とコンビ種目でポイントが算出できます。大会のコースの長さや斜度、旗門数などの制限はありませんが、ペースセッティングトライアルに参加したペースセッターが大会当日に前走することが必須条件となります。
また、このナスターレースポイントを導入している大会のほとんどに成長期の子どもたちが多く参加しているため、ナスターレース協会ではFISチルドレンレースのルールに近い環境とヘルメット、バックプロテクターなどの装備を推奨しています。
ID登録について
各地のナスターレース公認大会での参加者のポイントは、その週のうちにナスターレース協会に届けられ集計されます。ナスターレース協会では、年齢や性別ごとにナスターレースポイントでランキングを行い、ナスターレース協会公式Webサイトにて逐次発表しています。
また、参加者には選手ID登録を行うことを勧めています。出場したナスターレースポイント(NST-P)公認大会でのポイントは保存されているので、ID登録選手は過去の成績を確認することができます。
ID登録を済ませている選手は、ナスターレース公認大会でのスタート順にNST-Pが使用される場合があります(公認大会によっては独自のルールでスタート順を決める場合もあります)。
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